こんにちは、こぱんです。
応用行動分析という学問を日常で使うための研究をしていきます。
僕の経験や聞いた話、皆さんから寄せられた話を応用行動分析の視点で分析し解決策を探していきます。
どうする?あの人の困った行動 No.10
はじめに
子どもが転んだときどんな風に声を掛けていますか?「大丈夫?」と寄り添っていますか?「そんなことで泣くな!」と強くなるように言葉をかけていますか?ぼくからの最初のアドバイスはこうです。大怪我ならば、まず救急車です。寄り添う暇があったら、すぐ119。また、大怪我を放っておいても強くなれません。(笑)
今回は、転んで擦り傷程度の怪我をした場合の対応を考えていきます。
場面
砂場を走っていたカカ男は突然転んでしまいました。でも、大したことはなさそうです。

大したことないのにカカ男はその場から動かず少し顔をあげて母親を見上げています。表情はとても悲しそうです。
この場面、あなたならどのように対応しますか?考えてみてください。
対応1 ―寄り添う―




対応2 ―厳しく接する―



対応3 ―あまり干渉しない―

しばらくすると、カカ男は立ち上がってまま子のところに寄ってきました。そこでやっとまま子は、カカ男の目線に合わせて座り、「泣かなくて偉かったね!」と褒め消毒をしてあげました。カカ男は再び元気に遊び始めました。
対応1の解説
大した怪我ではないにも関わらず、まま子が心配することでカカ男は、泣いてしまいました。カカ男はまま子にかまってもらうために泣き、抱っこしてもらうなど甘えることができました。
一見、対応1は悪くないように見えます。しかし、自立を促すという意味では親が干渉しすぎです。結果、カカ男の自発的な行動が出ておらず、母親に依存しています。また、泣くことでなんとかしてもらえるという学習をしてしまうかもしれません。もちろん、子どもの性格や年齢によっては対応1のやさしさが必要なときもあります。
対応2の解説
まま子が強い口調で言葉をかけたため、カカ男は泣いてしまいました。おそらく、強くなって欲しいという期待を込めて伝えているのでしょうが、カカ男はその場で泣き続けてしまいました。
対応2は、嫌子出現の弱化をねらっている働きかけです。つまり、叱られるという嫌な感情を出すことで泣くという行動を抑えようとしているのです。簡単に言うと、叱られるのが嫌だから泣かないでおこうと思わせるという方法です。
しかし、カカ男は余計に泣いてしまいました。なぜだと思いますか?おそらく、怒られたときは思いっきり泣くと何とかしてもらえるという経験をしてきているのでしょう。
対応3の解説
消去という手法を使った解決方法です。カカ男は「母親がかまってくれるかも」と思って転んだあと、しばらく母親を見ていました。しかし、まま子は一切反応せず見ていただけでした。この、まま子の対応が消去です。
カカ男はかまってくれないということを知り、自ら怪我をしたことを母親に伝えに行きました。
そして、まま子は泣かなかったカカ男を褒めることで「泣かずに助けを求める。」というカカ男の行動を強化しているのです。
まとめ
おすすめはやはり、対応3です。少々忍耐がいりますが我慢してください。とは言っても目的によっては、どれがいいとは言い切れませんよね。例えば、不安の感情が強い子なら対応1のように優しく受け止めることで、親子の信頼関係を強くできます。対応2は、比較的短時間で対応できる可能性があります。対応3はこの中で唯一自分から行動していることにお気づきでしょうか。つまり、自立を促すのなら対応3が最も効果的と言えます。
余談ですが、僕の姪っ子が遊んでいた時におもいっきり頭をぶつけてしまい大泣きしてしまいました。もちろん、病院に行くほどではありませんでしたが、その時は対応1のように寄り添って落ち着くのを待ちました。
一方でジャングルジムの網に足が引っかかった時、こちらを向いて何かを訴えていましたが、網の目も大きそうだったので対応3のように無視しました。しばらくすると、自分で抜け出して再び遊び始めました。このように使い分けられると子どもの成長や親子の信頼関係に大きくプラスになっていきます。
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