こんにちは、こぱんです。
応用行動分析という学問を日常で使うための研究をしていきます。
僕の経験や聞いた話、皆さんから寄せられた話を応用行動分析の視点で分析し解決策を探していきます。
どうする?あの人の困った行動 No.11-2
はじめに
子どもが授業中に私語をした場合の教師の対応は大きく3つに分かれると思います。
- 厳しく注意をする。
- 教師の感情と事実を交えて、今後私語をしないように諭す。
- 私語をするとどうなるのか、今後私語をしないためにどうしたらよいかを考えさせる。
①厳しく注意をする先生。
①は教師が大きな声を出して子どもたちの私語を止め、そこから厳しい口調で指導していいくスタイルです。また、
「AさんとBさんのおしゃべりが迷惑だと思う人は手を挙げてください」と毅然とした態度で言います。
という意見もありました。このように周りに迷惑をかけていると目の当たりにさせることもあります。ここで実際に手が上がれば、「同級生に迷惑だと思われた。」ということが嫌子(嫌なこと)となり、AさんとBさんの「授業中にしゃべる」という行動を抑制させます。
しかし、嫌子出現の弱化は耐性がついてしまい、余計に悪い方向に行く可能性があるのであまり好ましい手法とは言えません。
②教師の寛容と事実を交えて、今後私語をしないように諭す先生
②は「授業中しゃべっている人がいて、授業がしにくかったです。また、迷惑だなと思った友達もいると思います。」と叱りつつ、「中には一生懸命授業を聞いてくれていた人がいました。ありがとう。」と褒めます。こうすることで私語をした人には嫌子出現の弱化を狙うとともに、よい行動をしている子には褒めることで好子出現の強化を狙うことができます。こうすることで、良い行動と悪い行動の両方を指導することができます。ただ、私語が広がりすぎると収拾がつかなくなるのでその前に授業を止めて現状を伝えてもいいかもしれません。
③私語をするとどうなるのか、今後私語をしないためにどうしたらよいかを考えさせる。
③私語をしていた子を呼び出して私語を続けることをどう思うかということや、今後について考えさせます。明日までに具体的にどうするかを考えさせるとよいでしょう。
先生に呼び出されることは、おそらく嫌なことでしょうから嫌子出現の弱化となりえます。しかし、そのあとで、自分たちでどうしたらいいか考えるように促しています。そうすることで叱られたという嫌子出現の弱化による抑制だけでなく、良い行動につながる支援となります。良い行動につながれば褒めることなど強化することができ、今後の改善に期待できるアプローチでしょう。
そして、僕はその後も丁寧に見ていくことが大切だと考えます。以下は子どもに今後について考えさせた後の対応を、ケース別にまとめたものです。
①子どもが解決策を考えてきて、私語が減った場合。
自分たちで解決できたことを褒めましょう。ポイントは、私語がなくなったことよりもどのように解決策を考え付いたかを聞き、そのプロセスを褒めることです。そうすることで、今後自分で考えるという行動を強化できます。
②解決策を考えてきたが、失敗した場合。
もう一度解決策を考えてきて欲しいのなら、失敗したことには触れず、解決策を考えてきたことを褒めましょう。自分で考えることがいかに大切なことで、1度でも解決しようと努力した姿勢を認めて「自分で考える」ことを強化します。
ちなみに、失敗したことに注目すると、その子どものやる気は、がくんと下がります。失敗は嫌子出現の弱化となるので、自分で考えたり、行動したりすることが抑制されてしまいます。失敗したことは、基本的にふれなくてよいと思います。
③解決策を考えてこない場合。
まず、解決策を考えさせるという行動が起こるように仕掛ける必要があります。解決策を考えてきたら、その子が嬉しいなと思うことをしましょう。例えば、宿題を減らしたり、席替えをしたりなどを提案します。







失敗経験が多い子などは、中には考えることを諦めているケースもあります。このように、まずその子が行動を起こすための手立てを考えましょう。そこから、支援が始まるのです。
終わりに
①は最終手段として使うのが最も良いと思います。そうすることで、たまに大きな声で叱ると子どもたちはやりすぎたなと思えます。しかし、基本は収集が付かなくなる前に②や③を実践して行くことが望ましいと思います。いずれも教師の感情や授業が進まないという事実を伝えることで子どもは納得しやすいようです。また、授業中の態度が良い日に褒めることで強化もしていきましょう!
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