こんにちは、こぱんです。
応用行動分析という学問を日常で使うための研究をしていきます。
僕の経験や聞いた話、皆さんから寄せられた話を応用行動分析の視点で分析し解決策を探していきます。
どうする?あの人の困った行動 No.21
はじめに
学校には、机の中が汚い子はいます。そんな子に「片付けなさい。」と言ったり、片付けの大切さを説いたり、ときには「○○さんの机の中はきれいだね。」など間接的に注意することもあるでしょう。それできれいになればいいです。また、今までの行動分析の記事を参考にしてもよいでしょう。ただ、やっかいなパターンもあります。それは、「はたから見たらごみだけど本人にとっては大切なもの。」
です。
例えば消しゴムのカス、図工で使った紙の余りなどでしょうか。机が片付かない原因がわかっているけど、本人にとってそれは本当に大事なものなのでしょう。捨てるという選択肢はありません。では、本人が大切だと感じているからそっとしておいてもいいではないかという意見もあるかと思いますが、ぼくはそう思いません。遊び道具が、すぐそばにあるという事実は、集中力を欠落させます。
また、窓ガラス効果をご存知ですか?有名な心理学の用語で、ご存知の方も多いと思います。窓ガラスが割れた車を1週間放置するだけでその地区の犯罪発生率が上がったという実験です。机の中も同じです。その子も落ち着かなくなりますし、他の子にも影響が少なからず出ます。そして、不要なものは捨てるという習慣も将来大切なことです。
では、窓ガラス効果を説明して、ごみを溜めないことを説得するのかと言うと、それはなかなか難しいでしょう。もちろん、効果があればそうすればよいですが。今回は、小学生にありがちな不要な大切なものを溜めさせないようにするテクニックを考えていきます。
場面






このように押し問答になる場面になることもあると思います。
解決策
- 問題を特定する。
- 質問を工夫して誘導する。
ララ男は折り紙に強くこだわっているようです。そのこだわりを理解せずに整理させようとしてもうまくはいきません。そして、多くの大人が陥りがちなのが問題をはき違えて指導してしまうという点です。今回はそれは当てはまります。先生は、ララ男に折り紙を捨てさせるか、持ち帰るかという二択を迫っています。しかし、本当の問題は机の中が雑然としているということです。つまり、机の中を整理してララ男が授業に集中できればいいのです。そこでひとつのアイデアは、折り紙を保管する場所を教室内に設けます。ここで大切なポイントがあります。自分で保管する場所を決めたような感覚にさせることです。


この聞き方をすれば、本人が大切にしている物を否定しません。また、「どこがいいと思う?」と聞くことにも意味があります。「どこがいいと思う?」と聞くことで相手はどこならいいかなと瞬時に自分の納得できる場所を探し始めます。これは、議論を少しずらすというテクニックです。今回の場合、机から折り紙を出すことに固執してしまうと、相手も意固地になりやすい。少し視点をずらした質問をすることで「折り紙は全くいらないもの。」という否定感を和らげることができたのです。だから、本人が納得しやすくなるのです。
まとめ
- 問題の本質がずれていないか、確認する。
- 「どこがいいと思う?」など、相手に考えさせる質問にする。
コメント大募集!
皆さんの経験をコメント欄やお問い合わせにて教えていただければお答えすることもできます!
ぜひ、お寄せください!
次回
どうする?あの人の困った行動 No.22
―自己調整学習―
行動分析研究所
―片づけをさせる方法 学校編―