どうする?あの人の困った行動 No.22―自己調整学習―【行動分析研究所】

こんにちは、こぱんです。

応用行動分析という学問を日常で使うための研究をしていきます。
僕の経験や聞いた話、皆さんから寄せられた話を応用行動分析の視点で分析し解決策を探していきます。

どうする?あの人の困った行動 No.22

行動分析研究所
―自己調整学習―

はじめに

自己調整学習とは、一言でいうと、自分で目標と現状を照らし合わせ、目標達成までに必要なプロセスを自分で考えたり、調べたりするという学習方法です。この学習方法が確立できれば大人になっても自分で問題を解決する能力があるため、文部科学省の言う「生きる力」が備わるという理想の形でもあります。

自己調整学習をするメリットとデメリット

メリット

できないことができるようになった事実や抱えていた悩みが自分の力で解決できたという達成感です。こうした体験が、自信へと繋がり、失敗にめげずに挑戦する勇気を育てるのです。

デメリット

面倒くさいということです。人の脳はどうすれば楽ができるかということを常に考えるようにシステムされています。また、考えることも脳は嫌います。自己調整学習はまさに脳が嫌うはずの考えるという行為をします。そのため、どうしても慣れるまではさぼりたいという要求と戦わなければならないのです。それに加えて、初回で失敗でもしようものならもうモチベーションは皆無でしょう。

そこで、自己調整学習を進めるためのポイントと、大人の支援をまとめました。

自己調整学習のポイント

問題を整理すると、メリットである達成感を感じる前に、面倒だというデメリットを先に感じてしまうということがやっかいな問題です。だから、多くの子どもたちや、大人でさえも自己調整学習に至ることができないのです。
また、自己調整学習に必要なスキルは以下の4つです。

  1. 達成できたことが嬉しいと感じるような課題を設定できる。
  2. 失敗から学び、次に生かそうと考えることができる。
  3. 試行錯誤する過程を楽しむことができる。
  4. 目標を下げたり上げたりすることに抵抗がないようにする。

大人ができること

今提示した4つのスキルごとに解説していきます。

    1. 達成できたことが嬉しいと感じるような課題を設定できる。

初めはその子の好きなことや興味のあることに絞りましょう。
ピアノでもゲームでもスポーツでも勉強でもいいのです。好きなことなので失敗してももう少し頑張ろうと思いやすいですし、達成感も得られやすいのです。ただし、ゲームの場合は1人でやりたいという子もいると思うので、勉強の時間として「ゲームを一緒にやろう。」と声を掛けてもいいかもしれません。自己調整学習ができるようになれば自然と興味が広がっていき勉強にも関心がもてるようになります。

    1. 失敗から学び、次に生かそうと考えることができる。

自己調整学習とは常に挑戦です。そのため失敗はつきものです。でも、たいてい失敗した事実だけが心に刺さりやる気の低下につながってしまいます。そこで、大人の出番です。その失敗は成功するためにとても大切な材料となることを教える必要があります。
次からどうすればよいと思うか。目標は適切か。今の自分はどこまでできているのか。など質問します。ポイントは未来志向的な質問です。
あと少しという場合、子どもは相当落ち込みます。そんなとき、大人も一緒に悔しがってみましょう。「この方法は行けると思ったのにね!悔しいな。でも、次は行けそうだね!!どうする?」共感しつつ、未来志向できるように促します。

    1. 試行錯誤する過程を楽しむことができる。

②にもつながる話ですね。エジソンの話が有名です。電球の発明で失敗を重ねたときに「私は1000種類のフィラメントが電球に適さないことを発見したんだ。」と言ったそうです。(もっとも、彼は見栄を張ったという説もあるそうですが、こういうのは解釈次第です!!笑。)わからないならやってみる。失敗したら、○○の方法は失敗だったと記録に残せば、発見した!と思えますよね。
また、試行錯誤するためにも大人の手助けが必要な場合があります。

例えば、ピアノの上達が目標なら、どんな曲が弾けるようになりたいのか、どのような練習が必要なのか、どのくらいの期間がかかりそうかなど、プロセスを組み立てる手助けが必要です。格闘ゲームでもいいでしょう。今はオンラインで世界中の強敵と手合わせできることでしょう。勝つためにはどうすればいいのか。動画を見て勉強することもできますね。理科の特に生物学に興味があるのなら生き物博士になるにはどうしたらいいかなどと問いかけるとやる気になります。動画を見てみる?図鑑を開いてみる?実際にあの山に行ってみる?この場合、成果を見えるようにするためにノートに記録をとってみるのもいいでしょう。
つまり、目標に向かうプロセスを一緒に考えるという段階です。ここは、アドバイスしすぎないように子どもから方法を引き出すことをモットーに我慢してください。

    1. 目標を下げたり上げたりすることに抵抗がないようにする。

目標設定は意外と難しいです。簡単すぎたり、難しすぎたりということはしょっちゅうあるものです。よく、背伸びをしてやっと届くくらいがちょうどよいと言われますが、抽象的すぎて、よくわかりません!次の例えを見てください。

ピアノでモーツァルトの『トルコ行進曲』を目標にしたとしましょう。それを弾くために練習曲をたくさん弾きましたが、なかなかたどり着けません。そこで、『トルコ行進曲』を引くために、まずは『エリーゼのために』や『クシコスポスト』を引けるようにする。という目標を再設定しました。

このように目標が難しすぎた場合、最初に立てた目標を消さなくもよいのです。大ボスの前に中ボスを倒して経験値や技術を高めてから大ボスに行こう!という話です。ただ、途中で『トルコ行進曲』に興味が失せた場合は、目標を変えてもいいですよね!

おわりに

最初に自己調整学習は概念の情報しかないと言いました。そこで今回、具体例を提示してみましたが、もっともっと具体的に学びたい方、朗報です。ぼく的にすばらしい自己調整学習者が日本にはいます。それは、西野亮廣さんです。特に近畿大学卒業式のスピーチは、ぜひ見てください。動画1000万回再生された動画です。「失敗は存在しない。」ということですが自己調整学習につながる部分があります。西野さんは、自信の考え方についてyoutubeや書籍などでも発信されています。それらを見ると、自己調整学習の実践型を学ぶことができます。ぜひご覧ください。動画と書籍のリンクも貼っておきます。


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どうする?あの人の困った行動 No.23
―反省文を書かせるの意味―

ぼくの母校では、反省文というものがありました。掃除をさぼったらA4一枚の反省文を書かせる。忘れ物をしても反省文を書かせられました。また、バイトでレジ打ちをしていたのですが、そのときも反省文がありました。さまざまなところで反省文を書かせる文化があるようですが、果たしてどこまで効果があるのでしょうか。行動分析の視点で紐解いていきます。

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