こんにちは、こぱんです。
応用行動分析という学問を日常で使うための研究をしていきます。
僕の経験や聞いた話、皆さんから寄せられた話を応用行動分析の視点で分析し解決策を探していきます。
成果を出す行動変容術 No.2
目次
はじめに
前回、目標の立て方をご紹介しました。前回記事でも十分だという方もいるかと思いますが、次は前回の記事を自分の環境に当てはめてどのように活用するかということが大切です。実践なき学びは意味がありません。ですので、目標の立て方をより鮮明にイメージしてもらうために、今後3回にわたって、具体化していこうと思います。今回は部活動篇、次回は学級篇、次々回は勉強篇の3篇です。
前回のおさらい
短期目標は、具体的にどのように行動していくかを決めます。また、長期目標は曖昧にして達成しやすさを保証し挫折や自己否定を起こさないようにすることがポイントでした。
部活動で具体的アプローチ!
高校1年生バドミントン部の生徒、小学校5年生からバドミントンをしておりバドミントンは6年目。現在の実力は、県大会で2回戦勝てるかどうか。
長期目標:高校3年生までに県大会で1位になる。
短期目標:2か月後の新人大会では優勝し、県大会では2回戦まで勝てるようにする。
この2つの目標の問題点はどこでしょうか。
長期目標は具体的な目標になってしまい、また幅の狭い目標です。
短期目標は、成果目標になっており、行動目標ではありません。ですので、このままではモチベーションが維持できず、目標を達成できることも困難です!どうしますか?
長期目標を修正してみてください。
長期目標の立て方
先週の学びから長期目標を県大会でベスト4以上などとしてしまいませんでしたか?勉強だと、点数や順位というように分析しやすく対策も取りやすいのでよかったのですが、スポーツやコンクールとなると数値化は難しいですよね。
達成目標とパフォーマンス目標
「○位になる。」や「○点とる。」と言った目標は達成目標と言います。しかし、この達成目標はわかりやすいという反面、スポーツなどでは対戦相手やチームメイトのコンディションなど運の要素が強くなってしまい自分の頑張りと関係なく、達成できない場合があります。例えば、トーナメントの組み合わせが悪く2回戦で優勝候補のチームと当たる可能性だってあるわけです。そうするとモチベーションの維持は難しいでしょう。そこで、達成目標ではなくパフォーマンス目標を設定します。
パフォーマンス目標とは、自分のもっているスキルの活用に関する目標です。下の修正した長期目標を見てください。ご覧の通り試合でなくても達成することができ、相手に左右されることがなくなりました。もし物足りなければ試合用の目標を立てることをお勧めします。こうすることでおのずと短期目標も絞れてきます。
- スマッシュを狙い通りに打てるようにする。的に70~80%の確立で当てる。
- 試合では、コースをついたスマッシュから相手の態勢を崩していくパターンを使う。
短期目標の立て方
では短期目標はどうでしょうか。短期目標は結果ではなくどんな行動をしていくかを決めるのでしたね!では、修正した長期目標をもとに立てていきましょう!
- 1日スマッシュのノックを100本する。
- 100本のうち10本的に当てることができる。
①はただこなすだけの目標です。でも、これでいいんです。塵も積もれば山となる方式です。
でも①だけだとつまらないので②も重要です。②は前に進んでいる感が出せます。人のモチベーションは小さな進歩により生まれます。最初は10本未満でもいずれ10本、20本と当たるようになるでしょう。短期目標ですから、達成したら数を増やせます。(この数を増やしたとき、人はとてもやる気を出します。この仕組みはいずれします!)今回の目標だと、長期目標と短期目標が重なる時が来るでしょう。
想像してください、長期目標を達成して次の長期目標を考えるときのワクワク感を。そして、それが試合にも生かされた瞬間を。スポーツの経験がなくてもその高揚感を想像できるのではないでしょうか。それはいままで努力をしたことがあるからです。
COLUMN お金と幸せ
質問です。お金が増えたら幸せになれますか?答えは人それぞれだとおもうでしょう。しかし、実際にお金を手にしても幸せになる人はほとんどいないようです。なぜなら、お金に上限がないからです。年収500万の人が1000万稼げるようになったとします。もちろん、数日間は満足します。しかし、すぐに2000万稼ぎたいというようになってしまいます。また、幸せを感じる収入の上限は2000万円ともいわれています。もちろん、その稼ぐ過程を楽しむことができていれば、まだいいのですが、もう一度言います。稼いだ額を幸せと結びつけていると幸せはすぐに消えてしまいます。だから、自分の価値観をきちんと見つめないといけないのです。
これ、スポーツ界でも当てはまりませんか?そうです、もしあなたが1回戦突破を目指しているのなら、達成した後はベスト8、次は県で優勝。というようにより高い地位を手に入れようとします。ここだけ聞くと、むしろ向上心を掻き立てるために良い、と捉えてしまいがちですが、勝ち負けにとらわれていると苦しいです。
なぜならその成果が相手に依存してしまうからです。相手も同じように練習してきています。○回戦突破や○○さんに勝つという目標だと、目指すべきラインがわかりません。相手も練習を重ね、強くなっています。どれだけ努力したと思っても、相手の方が上手に努力をしていれば、勝てることができません。でも、練習中は相手の様子などわからないので評価もしづらいのです。頑張ったのに勝てなかったとなると、本当に競技を楽しめなくなります。
だから、自分の技術の向上に焦点を当てることが大切なのです。そして、勝っても負けても、あのプレーが気持ちいい。駆け引きが楽しい。と試合自体が楽しくなってきます。
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成果を出す行動変容術 No.3
―モチベーションを高める目標の立て方 学級篇―
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―モチベーションを高める目標の立て方 部活動篇―