結論
大きな声で叱るという行為は、相手にノルアドレナリンというホルモンを分泌させます。このホルモンは、自分が危機に直面したときに集中力と判断力を高めるためのホルモンです。大きな声で叱って統制をとるというやり方はこのノルアドレナリンによる効果のものなのです。本記事は、以下のお悩みを解消します。
- 大きな声で叱りつける教育に疑問を感じている。
目次
はじめに
一昔前の教育では、先生はとても厳しく大きな声で怒鳴り付ける先生もたくさんいらっしゃいました。今でも、部活動を中心にとても厳しく指導されている先生はいらっしゃいます。
一方でその指導に疑問を感じている方も多くいらっしゃることと思います。「叱ることは大切だけど、大きな声を出す必要があるのだろうか。」と。
たしかに、大声を出す教育に反感を抱きつつも子どもたちが、それで成長できるのなら致し方ない。でも、引っ掛かる。という方はいらっしゃいますよね。
今回は、大きな声で叱ることで相手の脳に起こる反応を探りその是非に決着をつけたいと思います。
大きな声で叱ることでノルアドレナリンが分泌される。
ノルアドレナリンとは、脳から分泌される生存本能に関わる物質です。このノルアドレナリンは、集中力と判断力を高めてくれると言われています。
またの名を「逃走と闘争のホルモン」と呼ばれており、敵に遭遇した際に、逃げるか戦うかを瞬時に判断するために備わった機能です。
このノルアドレナリンは、いざというときに分泌します。このホルモンが分泌するきっかけは、自分の身に危険が生じる可能性が出たときです。
つまり、敵との遭遇や怪我につながることをしているときなどです。どれも。集中力を高めなければならない場面ですね。
ノルアドレナリンのメリットデメリット
大きな声で叱られるときも、ノルアドレナリンが分泌されます。
大声で叱ることが当たり前の時代がありました。やはり、そんな時代があった背景にはそれなりのメリットがあったのです。そして、昨今体罰をはじめ、教員の姿勢が大きく転換されました。
この転換が迫られたのも、ノルアドレナリンはデメリットが出てきてしまった結果だとも考えられるのです。
ノルアドレナリンを出すメリット
叱られることで、ノルアドレナリンが分泌されて、集中力を高めるとともに、判断力も向上します。
ここまでの説明をご覧になって、部活動指導を思い出しませんか?
部活動は、徐々に変わりつつありますが、ノルアドレナリンを利用した指導が盛んです。
常に劇を飛ばす指導者もいます。選手たちも、叱られまいと、一生懸命取り組んでいることでしょう。このような指導で全国大会出場を決めているチームも多いと思います。
しかし、一件合理的に見えるこの指導方法ですが、弱点もあります。
ノルアドレナリンを多用するデメリット
それは、ノルアドレナリンが短期集中型であるということです。
先程ものべましたが、基本的に危険な場面でないと分泌されません。理由は、ノルアドレナリンが常に出ている状態では、疲労して本当に危険な状態のときに力が発揮できなくなるからです。
恐らく、このノルアドレナリンの本領は1時間ともたないのではないかと、私は考えています。
ノルアドレナリンに頼った指導がもたらすデメリットは、以下のことです。
- 徐々に、叱っても言うことを聞かなくなり、叱る声が大きくなる。
- 叱る場面が増える。
- 最終的に体罰になる。
- 子どもたちは、自分で考えなくなる。
- 指導者がいないとさぼる。
このように、長期的に見ると、デメリットが大きくなっていきます。ノルアドレナリンの特性を知り、上手に使いましょう。
どうすればよいのか
叱るという行為は、すぐに相手の行動を正させる威力があります。
しかし、それは、指導者が変われば元のよくない行動に戻る可能性もあるのです。そこで、最も重要な議論が「叱らずに子どもたちの成長をうながすにはどうすればよいか」という問いです。
この疑問に答えるのは、とても難しいです。だからこそ、大きな声で叱るというすぐに効果の出る方法が根強く残っているのだと思います。
ここでは、語りきれませんが、やはり勉強という努力が必要です。子どもたちが自制できないのは、セロトニン不足かもしれません。
集中力が足りないのは、生活習慣かもしれませんし、運動不足かもしれません。
モチベーションが低いのは、マンネリしているかもしれませんし、できないことが多いからかもしれません。その解決策は、woopの法則を勉強したり、人の進化の過程を勉強すれば手にはいるかもしれません。
トラブルに出会ったとき、脳内では、どのようなっことが起こっているのだろうか。という疑問は、教育の根幹に迫る問いだと考えています。
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