結論
算数障がいとは、暗算や筆算、順番、推論、文章題など算数に関わる全部や一部の能力が極端に苦手な障がいです。電卓の使用を認めたり、日常的に数を意識した言葉かけを行ったり、具体的にイメージできるような模型や絵を交えて学習したりするとよいでしょう。本記事は、以下のお悩みを解消します。
- 算数障がいについて知りたい
- 算数障がいの子の支援方法が知りたい
- 計算が苦手
- 文章問題が苦手
算数障がいの症状
算数障がいでは以下の苦手さが顕著です。複数当てはまる場合もありますし、どれか1項目のみ当てはまる場合もあります。
- 「1、2、3」という数字を見て、「いち、に、さん」と言うことができない。
- 聞いた数字を書くことができない。
- 並んでいる物を見て、数を数えることができない。
- 数の順番を覚えることができない。「いち、に、さん、……つぎなんだっけ?」となる。
- 四捨五入が理解できない。
- 九九の暗算に時間がかかる。
- 筆算の繰り上がり・繰り下がりを間違える。
- 文章題の内容をイメージしたり,絵や図にしたりすることができない。
- 文章題から数式が立てられない。
以上が主な症状ですが、知的障がいとは違い、他の教科では、特別な支援が必要なく学ぶことができます。
日常生活での困り感
算数障害は日常の場面でも支障が出る場合があります。
お金の計算や、待ち合わせ、料理、商品の発注などなどたくさんあります。このような困難があっても、できるだけスムーズに日常生活を送るために支援を考える必要があります。
算数障がいの支援方法
算数障害は、上記の症状をまとめると数からイメージしたり、数を記憶することが苦手だと考えられます。
そのため、それらを補う支援を考えることがよいでしょう。
計算が苦手な子に対する支援
計算が苦手な子に対して行う支援は、今のところ電卓が最もよいでしょう。
もちろん、計算ができることにこしたことはないですが、最も早く習得でき、ストレスのかからない支援は電卓だと考えます。
もし、お子さんの実態を見て計算力もつけたい場合、以下で解説する方法をためすことをおすすめします。
文章から数や式をイメージする支援
基本的な計算や図形などは解けるし、記憶力もいいけど文章題を解くスピードがとても遅かったり、全く解けなかったりする場合があります。
文章から問われていることを整理し、わかっている数字と学んだ数式を組み合わせて答えを出す文章問題はとても、高度なのです。
文章問題で支援を行う場合には、文章に書かれていることを絵や図に表現しなおすとよいでしょう。少し手間がかかりますが、具体的な物を準備したり、速度の問題なら実際に出掛けたりすることもとても効果的です。
感情を揺さぶって数を学ぶ
私たちは、意識をすると一日で何度も数に触れていることに気がつきます。料理や携帯の充電、コピーをとる枚数、今日の出欠人数などきりがありません。
その分、算数障がいがあると日常生活のストレスも多くなることと思いますが、見方を変えると、教材も日常生活に溢れているということです。
日常生活に直結している算数を使うことで親しみをもって学習することができます。また、次に重要なことは学ぶときに、感情と結びつけることです。
例えば、お菓子を1つもらうのと、3つもらうのとでは、どっちが嬉しいでしょうか。また、3つあったお菓子がいつのまにか1つ減っていたら、ビックリするし、悲しくなりますよね。
スポーツが好きならかけっこの順位から数に触れることもできるでしょう。
もしも、2位なら悔しいですよね。
このように、子どもの感情が揺れるような場面を作り数に触れさせるとストレスなく学ぶことができます。
おわりに
算数障害は、本人の努力ではカバーできない部分があるため算数障害と診断を受けます。つまり、問題を解けば算数の能力が上がるというわけではありません。
専門家の意見をもとに日常生活で必要な力を適切な順序、適切な用具を用いて習得していく必要があります。
算数障がいは、算数に必要な継持処理と同時処理の両方または、どちらかに障がいがあると言われています。しかし、原因のほとんどはわかっていないため、その支援方法もまだまだ未開発と言わざるを得ません。
やはり、その子に特化したものを作るしかないのですが、今回ご紹介した支援方法が参考になれば嬉しいです。
足し算の段階的な指導も参考になると思います!
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