【11月版】特別支援学校の音楽授業:動いて奏でる3つの活動アイデア

11月に行った音楽の授業ネタをご紹介します。『なでなでおじいちゃん』『きらきら星のリトミック』『マーチング』を使った授業です。本記事を読むと

  • 11月の音楽授業ヒントを得られる
  • 目標設定の参考になる

これらが得られます。

単元目標例

11月の音楽授業名は「動いて奏でる音楽あそび」です。

単元目標は以下の通り。

  • 教員と一緒に歩きながら楽器を演奏したり、バトンを振ったりすることができる。
  • 歩きながらリズムよく楽器を演奏したり、バトンを振ったりすることができる。

11月の音楽:本時の流れ解説

11月の音楽をご提案します。

  1. ふれあい遊び『なでなでおじいちゃん』
  2. 身体表現『きらきら星のリトミック』
  3. 器楽『マーチング』

ふれあい遊び『なでなでおじいちゃん

「なでなでおじいちゃん」をふれあい音楽遊びとして取り入れる際の活動方法と目的をまとめました。特別支援学校の音楽の授業で、子どもたちが楽しく関わりながら歌詞の動きを体感できるようにすることがポイントです。

活動方法

  • 「なでなでおじいちゃん しわしわのびろ」の部分は、おでこやほっぺなどを優しくなでて、歌詞の雰囲気を感じ取ります。
  • 「おやまにのぼってとんとんとん」「つかれておりてとんとんとん」の部分では、腕や肩を軽く叩きながら上下運動をイメージ。
  • 「もじょもじょのぼって こっちょこちょでしわがふえた」の部分でくすぐりを加え、笑いを誘いながら楽しみます。

ふれあいポイント!

  • 教員や友だち同士で向かい合い、相手の背中や肩を優しくなでたり、トントンしたりします。
  • 子どもが苦手な触れ方がないか、事前に確認しながら進め、安心して参加できるように配慮します。

活動の目的

身体への意識と触覚の刺激

顔や肩、腕などを優しくなでたり叩いたりする動作を通じて、身体の部位を意識し、触覚刺激を楽しむ。

コミュニケーション・信頼関係を築く

友だちや教員同士での触れ合いを通じて自然と笑顔や、やりとりが生まれ、相手との距離感を縮めるきっかけとなる。

歌詞やリズムに合わせた表現力の向上

歌詞の動きを真似しながら歌うことで、リズムを感じ取り、音楽表現への興味を深める。

心地よい身体活動によるリラックス効果

軽い刺激(なでたり叩いたり、くすぐったり)が適度に心地よく、活動を通じてリラックスや安心感を得られる。

↓なでなでおじいちゃんを聞く↓

身体表現『きらきら星リトミック

この活動では、音楽の変化を即座に捉えて動きを変えるというリズミカルな体験を通して、子どもたちが聴く力や表現力を高め、身体の使い方やバランスを育むことができます。

活動方法

  1. まずは「きらきら星」を普通のテンポで演奏しながら、そのリズムに合わせて教室内をゆっくり歩きます。
  2. 伴奏のテンポを上げたら、歩きから小走りへ切り替えます。
  3. 伴奏をスタッカート(短く切る弾き方)に切り替えたら、タイミングに合わせてジャンプをします。
  4. 曲を短調にアレンジしたら、今度は後ろ向きに歩きます。
  5. 曲中で伴奏のテンポ・奏法・調が切り替わるタイミングをいくつか作り、子どもたちが音の変化を感じ取りながら動きを変えられるようにします。

活動の目的

音楽の変化を身体で感じる力を育む

テンポや奏法、調性の違いを体全体で受け止め、即座に動きを変える経験を通して、聴く力や反応力を高めます。

リズム感・空間認知の向上

歩く、小走り、ジャンプ、後ろ向き歩きといった多様な動きを取り入れることで、リズム感や身体バランス、空間の把握力を育みます。

自発的な動きや表現を促す

子ども自身が「次はどう動こう?」と考えながら音の変化を感じ取ることで、主体的に身体表現を行い、自己表現力を伸ばします。

器楽『マーチング』

行進曲に合わせて教室を回りながら楽器演奏を行うことで、リズミカルな動きと音楽的表現が結びつき、子どもたちが楽しみながら音楽や仲間との一体感を味わうことができます。

準備物

  • ミニシンバル
  • くびにかけられる太鼓
  • ウッドブロック
  • トライアングル
  • タンバリン
  • リコーダー(音が大きくなりがちなので、音量が調節できる子のみ)
  • 行進曲(ミッキーマウスマーチやラデツキー行進曲など)

活動の流れ

①楽器と行進曲の紹介

  • ミニシンバル、首にかける太鼓、ウッドブロック、トライアングル、タンバリン、リコーダーなど、今回使う楽器を実演しながらひとつずつ紹介します。
  • 行進曲のリズムを軽く聴かせ、「これから曲に合わせて歩いてみよう」と声をかけ、興味を引きます。

②座って楽器を試す

  • ミニシンバル、首にかける太鼓、ウッドブロック、トライアングル、タンバリン、リコーダーの中から、それぞれが使いたい楽器を選びます。
  • 椅子に座った状態で、教師のゆっくりしたカウント(例:「1、2、3、4…」)に合わせて楽器を鳴らし、一定のリズムを刻む練習をします。

③立ち上がってその場で足踏みしながら演奏

  • 今度は立った状態でリズムを取り、楽器を叩いてみます。
  • その場で足踏みをしながら、先ほどと同じゆっくりしたカウントに合わせて楽器を鳴らします。
  • 難しい場合は、足踏みだけ、楽器だけ、どちらか一方を優先して練習してもOK。徐々に合わせられるよう支援します。

④歩く練習(楽器なし)

  • 安全面を確認したうえで、まずは楽器を置いて、行進曲のリズムに合わせて教室内をゆっくり一周歩いてみます。
  • 教員が先頭に立ち、歩く速度や足の上げ方の見本を示しながら、声かけや視覚的サポート(足跡マークなど)を使うとわかりやすくなります。

⑤歩きながら楽器を演奏

  • 立ち止まらずに一定のテンポを刻むことができるようになった子どもから、楽器を持って歩き始めます。
  • 教員や支援員が側について、ペースを合わせたり、リズムが乱れそうなときには声かけや手拍子でサポートを行います。
  • 難しいと感じる子は、歩くパートと演奏パートを交互に行い、徐々に両方を同時にこなせるように練習します。

⑥楽器交換・先頭交代

教室を何度か回ったあと、楽器を交換したり、先頭を交代したりして変化をつけます。

活動の目的

リズム感・身体感覚の育成

座った状態から段階的に立ち上がり、歩きながら演奏へとステップアップすることで、リズムを身体で捉える力を育みます。

自己表現の楽しさを体験

さまざまな楽器を鳴らすことで、「自分でも音楽を作り出せる」という喜びや達成感を味わい、自己肯定感を高めます。

協調性の向上

行進曲をみんなで演奏しながら移動することで、周囲のペースを感じ取り、合わせようとする気持ちや仲間との一体感を育みます。

 

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