特別支援学校の音楽授業:2月に使える授業アイディアと実践例

2月に行った音楽の授業ネタをご紹介します。『ゆびにんぽう』『動物リトミック』『sing sing sing』を使った授業です。本記事を読むと

  • 2月の音楽授業ヒントを得られる
  • 目標設定の参考になる

これらが得られます。

単元目標例

2月の音楽授業名は「ドラマーになろう」です。

単元目標は以下の通り。

  • 音や音楽を感じて体を動かす技能。【音Aア(ウ)㋐1段階】
  • 器楽の活動を通して、拍や曲の特徴的なリズムに気付くこと。【音Aイ(イ)㋐2段階】

2月の音楽:本時の流れ解説

この授業では、子どもたちがリズムや音楽の楽しさを体感できるよう、3つの活動を行いました。それぞれの活動を通じて、音楽に合わせて身体を動かしたり、特徴的なリズムを意識したりする力を養います。以下に具体的な流れをご紹介します。

  1. ふれあい遊び『ゆびにんぽう』
  2. 身体表現『動物リトミック』
  3. 器楽『sing sing sing』

ふれあい遊び『ゆびにんぽう』

『ゆびにんぽう』は、歌詞に合わせて指や手を使った動きでリズムとふれ合いを楽しむ活動です。一本指から五本指までの動きを忍者の術になぞらえており、つんつんしたり、散髪の真似をしたりしながら楽しい動作を繰り返します。この活動は、音楽の授業においてリズム感の育成だけでなく、スキンシップを深められる音楽活動です。

以下は、活動の具体的な目的です。

  • 音楽の基本要素を体感する
    指の動きにリズムを合わせることで、自然に拍やテンポを身体で感じ取ることができます。
  • 身体表現と想像力の促進
    「つんつん」「チョキチョキ」など、具体的な動きが歌詞に織り込まれているため、子どもたちは忍者のイメージを膨らませながら身体表現に取り組むことができます。
  • スキンシップによるコミュニケーションの促進
    歌詞に沿って互いに触れたり動作を共有したりする場面が多いため、友達同士や教師との間で自然なスキンシップが生まれます。これにより、対人意識がうまれるきっかけになることも。
    自閉症のお子さんで、人への興味が薄い場合は、大人が腕を指さして「触って」と言葉をかけたり真似をさせるなど1つ1つゆっくり行いましょう。
  • 指先の運動能力向上
    指を細かく動かすことで、指先の感覚や運動能力が鍛えられます。楽器演奏や日常生活のスキル向上にもつながります。

 

身体表現『動物リトミック』

『動物リトミック』は、音楽と身体表現を組み合わせた活動です。5種類の動物が出てくる楽曲を使用して、各楽曲に対応する動物をイメージしながら身体を動かします。動物の特徴を意識した動きや表現を通して、子どもたちのリズム感、身体表現力、想像力を育む活動です。

以下の5種類の音楽を編集して繋ぎ、そろぞれの動物をイメージしながら身体を動かします。

  • ぞうさん
  • アイアイ
  • とんぼのめがね
  • ぶんぶんぶん
  • かたつむり

それぞれの動かし方は以下の通り。
オーソドックスな動きです。

動きの例

・ぞうさん

手を鼻に見立てて動かす

・アイアイ

右手を頭の上に、左手を頭の下につけて猿のまねをする。
下のイラスト参照。

・とんぼのめがね

手を広げた状態で動く

・ぶんぶんぶん(ハチ)

脇をしめて手のひらをバタバタさせる

・かたつむり

床におしりをついて移動する

続いて活動の具体的な目的です。

活動の目的

  • 身体表現力の発展
    動物の特徴を体全体で表現するため、子どもたちは大きな動きから繊細な動きまで幅広い身体表現に取り組むことができます。
  • 想像力と創造性の刺激
    動物の動きを想像し、それを身体で再現する過程で、子どもたちは自由な発想力を養います。さらに、自分なりの表現方法を考えることで創造的な思考も促されます。
  • 社会性と協調性の育成
    他の子どもたちと動きを合わせたり、周囲の動きを見なたりしがら自分の身体を動かすので、身体の協調性が育まれます。

器楽『sing sing sing』

「Sing Sing Sing」は楽しいスウィングジャズの曲で、跳ねるようなリズムと力強いビートが特徴です。この活動では、子どもたちがドラムやタンバリンなどの楽器を使ってリズムを感じながら音楽を楽しむことを目指します。子どもたちが身体を動かしながら、音を鳴らしたり、リズムを繰り返したりすることで、音楽の楽しさや友だちと一緒に演奏する喜びを体験します。

以下は活動の目的です。

  • リズムを感じる力
    楽器や体の動きを使って、音楽のリズムを自然に身につけます。
  • 友だちと一緒に楽しむ経験
    楽器を使って音を合わせる活動を通じて、友だちと協力する楽しさを学べます。
  • 音楽の喜びを体験
    ジャズのリズムや楽しい音楽に触れ、音楽を全身で楽しむ時間を過ごします。
  • 表現力を伸ばす
    音やリズムを自由に表現する中で、自分なりの表現を楽しむ力を育みます。

ちなみに、この授業を実践した学校にはドラムセット(バスドラム、タム、ハイハット)があったので、勤務校にあればぜひ使う機会にしてください。

もし、なければ小太鼓、大太鼓、トライアングル、タンバリンなどをドラムのように配置すると良いと思います!

 

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