「子どもの言葉が遅い気がする。でも、相談先がわからない…」
そんな悩みを抱える家庭は少なくありません。
そんな中、政府は2025年度から、発達障害のある子どもや家族への支援を強化する新たな方針を打ち出しました。
関係者によると、地域の子育てや保健、福祉の関係者と医療機関が連携し、言葉の遅れや落ち着きがないなど、子どもの特性や心配事に関する「発達相談」を家族が早期に受けられる体制を整備するとのことです。
現在、発達障害に対する社会的認知が広がる中で、児童精神科医をはじめとする専門医の不足が深刻な問題となっています。多くの地域では初診までの待機期間が長期化しており、早期支援の妨げとなっていました。今回の新たな支援強化策は、こうした課題に対応するための具体的な一歩と言えるでしょう。
目次
2025年度から何が変わる?|新しい「発達相談体制」の概要
政府が明らかにした新たな支援方針では、
地域の保健センターや子育て支援センターなど、家庭にとって身近な場所で「発達相談」が受けられるようになります。
具体的にはこんな仕組みです↓
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自治体が医療機関に委託し、心理士などの専門職を地域に派遣
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子どもの特性を観察・評価し、専門医の診察が必要かどうかを説明
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保育士・保健師・療育施設などとの情報共有を進め、支援につなげる
また、初診までの長い待機時間を短縮できるようにすることも、大きな目標とされています。
支援者として感じること|「早くつながれる」ことの意味
気になった時点ですぐに相談できる環境があるのは、安心感があると思いました。
今はまだ、親御さんが不安な気持ちのまま数か月を過ごすこともよくあります。
この制度が本格的に動き出せば、
・遠方の病院に頼らなくても相談できる
・早めに保育園や支援機関との連携が始められる
そんな最初の一歩が、もっと踏み出しやすくなるはずです。
早期支援の開始は、子どもの認知発達にもよい影響を与えるのでぜひ、進めてほしいですね。
予測される課題
メリットは大きく、僕はこの方針は支持しています。
しかし、以下のような課題も指摘せざるを得ません。
気軽に相談できる場所があることの周知は?
せっかく制度があるのに、「知らなかった」というケースはよく聞きます。
「当時知っていたら利用していたのに。」
この状態を避けるためにも、チラシだけでなくYouTubeなどのWEB媒体を利用しながら広報に力を入れていく必要があります。
専門人材は足りているの?
発達障害や心理に関する専門知識を持つ人材は全国的に不足しています。
さらに、人材育成の仕組みもまだまだ整っていません。
部活動指導員の地域移行も、意欲的なのに進まないのは指導者確保ができないからですよね。
人材育成はすぐにできないので、完璧でなくていいから早期に開始したいところです。
診察が増えたとして対応できるの?
実は医者も足りていません。
さらに、労働時間が長いことも指摘されているのが今の医療業界です。
相談体制が整備されるということは、今まで診察を受けなかった層も専門医への紹介につながるということ。
気軽な相談ができる環境は、保護者を安心、子どもの早期療育が実現できるなどメリットがありますが、人手不足が深刻化する中で、診察が追い付かなくなる課題も出てくるはずです。
振り分けだけでなく、専門医を必要としない軽度ケースへの支援体制強化も必要だと考えます。
おわりに
「制度が変わること」よりも大切なのは、
それを知って、どう行動するかだと思います。
これからも、子どもたちの発達と向き合う親御さんや支援者の方に向けて、
制度や支援の「使える知識」を発信していきたいと思っています。
▼参考記事:
【Yahoo!ニュース】政府、発達障害の支援強化へ(2025年2月1日公開)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ed6a8f113fee67cb32e5e01b172722b7bdf183f
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