結論
スマホは便利ですが、ゲームとSNSの利用だけでは頭が悪くなる危険性があります。ある調査によると学力が有意に低下したというデータもあります。ただし、スマホが悪いのではありません。その使い方が悪いのです。本記事は、以下のお悩みを解消いたします。
- スマホによる子どもの健康被害について知りたい
- スマホのせいで成績が落ちることがあるのか知りたい
- スマホのメリットデメリットを知りたい
- 子どもにスマホを渡す上でルールをつくる参考資料がほしい
目次
スマホの特徴-スマホをさわる理由は「獲得」したいという心理-
スマホは、たくさんのことができます。コミュニケーション、ゲーム、勉強、情報収集、投資、執筆など今や日常生活になくてはならない道具となりました。
しかし、便利ですがこんな経験ありませんか?
- ついラインが気になって意味もなく開いてしまう
- Twitterなど、SNSのタイムラインを追いかけてしまう
- ゲームでお金も時間も浪費してしまった
ほとんどの方がいずれかは経験あることだと思います。これらの現象は、自分の意思が弱いからではなくスマホが人間が気になるようにできているからと考えることができると思いませんか?
人間は獲得をすることに強い好奇心を抱きます。これは、獲物をとらえるために必要な古来からの本能です。それがたとえ食べ物でなくても、この獲得して得られる高揚感に人間は抵抗できません。
例えば、ゲームにはアイテムの獲得、ニュースアプリやSNSには情報の獲得、多くはこの2つに分けることができるのです。
スマホの4つメリット
整理しておきたいのは、スマホのメリットです。大きく分けると、情報収集、時短、コミュニケーション、娯楽に分けることができます。
メリット1 情報収集
スマホは、様々な情報が瞬時に手に入り私たちの判断をより確かなものに導いてくれます。ニュースアプリや災害情報、知りたいときに知りたいことがいつでも手に入ります。
メリット2 時短
アプリやクレジットカードを駆使することで様々な場面で時短することが可能となりました。
クレジットカードとひも付けることで決済にかかる時間が大幅に短縮されます。予約も電話すらせずに予約し、今や並ぶ時間がほとんどかからないことが多くなりました。
メリット3 コミュニケーション
コミュニケーションもとりやすくなり、たまに会う旧友との飲み会が設定しやすくなったり、SNSから仕事を受けている方も多いはずです。
メリット4 娯楽
スマホゲームによる市場も巡りめぐって私たちの経済を支えてくれますし、YouTubeもスマホのおかげで普及し、娯楽であるとともに、一般の人にクリエイターという道を広げてくれました。
スマホのデメリットー頭が悪くなるー
一方デメリットも強烈です。言葉を選ばずいうと、「偏った使い方をすれば、頭が悪くなる。」ということです。1つずつ具体的にお伝えします。
デメリット1 脳が活動しない
スマホによるコミュニケーションやゲーム、動画視聴は、基本的に脳は活動しません。もちろん、スマホに限らずテレビや他のゲームでも同じことがいえます。
もちろん、新しい情報やアイテムを獲得したときは本能を司る部位が活性化しますが、脳の発達という観点から言うと意味のある活動ではありません。
脳が働いていないということなので、思考力や判断力、記憶力が落ちてしまいます。
お気づきかもしれませんが、特に発達途中の子どもにスマホをもたせるのは、脳の発達を著しく低下させる危険があるのです。
デメリット2 注意が分散する
注意が分散するということは、ミスの誘発、記憶力、思考力が低下するということです。
私たちはそもそも集中できないようになっています。理由は、簡単で本能だからです。大昔はなにかに集中すると敵に襲われる危険がありました。
だから、いつでも逃げられるように何かをしながら、周囲にも気を配る注意分散が大切でした。
また、音は敵の位置を探るとても大切な情報だったため、私たちは音に敏感に反応します。この本能も残っています。スマホの通知音を思い出してください。
スマホには、あらゆる通知が届きます。ラインやゲーム、ニュースなどアプリをインストールすればほとんど通知が来てしまいます。
あなたは、その都度作業を中断してスマホを開いていませんか?もし開いていなかったとしても、スマホの通知音を聞いただけで集中力は途切れてしまうことがわかっています。
そして、途切れた集中は最低15分は戻らないといわれています。
デメリット3 運動時間が減る
スマホに時間を割くとなると、私たちは、他の何かの時間を削る必要があります。
それは場合によって違いがありますが、私が最も危惧することは、身体を使った遊びの減少です。子どもにとって運動は脳の発達に欠かせません。大人でさえも脳のパフォーマンスをあげることがわかっています。
赤ちゃんの発達も、ハイハイができるようになって歩く、走ると発達し、手先が器用に動くようになるという順番です。
知的な活動は、それらがある程度発達した6歳以降、つまり小学校で行うことになるのです。私たちの発達の基盤は運動機能だということがわかります。
学力が低いお子さんの多くは、運動機能が十分に発達していない傾向があるようです。よく、机に肘をついたり、伏せたりする子がいませんでしたか?
彼らは、姿勢を整えることが周りの子よりキツいのかもしれません。
姿勢には、集中力や理解力も相関しています。よい姿勢を保つためには、日頃から思いっきり身体を使って遊び、身体の軸をつくることが大切なのです。
デメリット4 学力が下がる
東北大学の研究によると、どんなに勉強に時間を割いてもスマホを30分以上さわると勉強時間に見合った成果がでないというデータが出ています。
データをみる限りでは、30分程度のスマホ使用なら顕著な学力の低下はみられませんが、1時間以上になると学力は大きく低下し、2時間以上になると、全く勉強していないグループよりも少しまし程度の成果しかないのです。
つまり、学習に2時間つかったとしても、スマホも同じように2時間以上使用したとすると、最低でも4時間は何も得ることができなかった時間だと言っても過言ではないのです。
これは、中学生を対象にした研究ですが、このデータは果たして中学生にしか当てはまらないでしょうか。私たちの仕事にも影響が出ていると思いませんか?
スマホがダメではない。使い方がだめ。
ここまでデメリットをあげるとスマホがめちゃくちゃ悪いものに思えたかもしれません。しかし、補足します。中学生のスマホ利用の中身は、ゲームとSNSの利用くらいです。
私が述べたスマホの使用で起こるデメリットはゲームとSNSという場合のみです。
実際はスマホのメリットでもご紹介した通り、あらゆるものが時短になりました。そのメリットを十分に活用するべきです。
空いた時間で何をするかは、あなた次第ですが、やはりゲームに当てることはおすすめしません。
動画投稿や漫画の投稿などクリエイティブなことがしやすくなりました。これらはスマホを使用しつつ脳も活動している事例の1つです。AIにもできない活動です。
また、それらの投稿内容を支えているのは、SNSからの情報であることも多いです。
つまり、使い方なのです。子どもたちには、娯楽や情報を得るだけでなく、発信する楽しさを伝えるとスマホのデメリットを帳消しにすることができるかもしれません。
スマホで時短しつつ、空いた時間で何をするかが今後の生きる力となります。
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