【特別支援教員向け】目と手の協応を伸ばす個別課題4選

結論

目と手の協応とは、自分の手の動きを目で確認しながら作業を進める力のことです。課題としては、カップ重ねやハンマートイ、ビーズ通しなどで養うことができます。本記事は、以下のお悩みを解消いたします。

  • 目と手の協応について詳しく知りたい
  • 個別課題で何をしたらよいかわからない
  • 目と手の協応を養うための課題を知りたい

はじめに

特別支援学校では、さまざまな個別課題用の玩具があると思います。しかし、初任者や初めて特別支援学校に赴任された先生は、使い方は直感的にわかっても効果までは、知らないことが多いと思います。

今回は、目と手の協応と照らし合わせながら、特別支援学校でよく見る玩具の効果を解説します。

目と手の協応とは

目と手の協応とは、手で行う作業を目でとらえて、より正確に作業を遂行する能力のことです。

この力が弱いと、作業に時間がかかったり思うように手が動かなかったりします。

この能力は、後に模倣する力に繋がっていくため、子どもの発達には避けて通れないでしょう。

目と手の協応を養う玩具4選

では、目と手の協応を養う玩具を4つご紹介します。

カップ重ね

コップ重ねは、大きいカップの上に少しずつ小さいカップを積んでいくおもちゃです。

この課題は、直感的に最初から順番どおりに積むことができるタイプと、手で操作しながら、感覚的に合うカップを探すタイプに分かれます。

前者の場合、目と手の協応は、育っているととらえてよいでしょう。次のステップとして、物の大きさを意識できる課題を考えましょう。

一方後者は、まだ目で大きさをとらえることができず、手から伝わる感覚で、合う合わないを判断しているので、繰り返し練習が必要です。

この場合、最初のステップとして次に積むカップを二者択一にして、提示するとよいでしょう。また、教員と交互に積んでいくのもコミュニケーションがとれるきっかけになるので試してみてください。

ハンマートイ

こちらは手でハンマーを操作し、ボールを落とす玩具です。直接手で操作するのではなく、ハンマーを通してボールを落とすので、少しレベルが上がります。

目でボールをとらえながら、ハンマーの先に当てなければなりません。ハンマーと手の距離感をつかむ必要があります。

子どもの実態に応じて、まずは手でボールを落としてみたり、ハンマーを持つ位置を変えたりしながら取り組んでください。

ペグボード

ペグとは、釘という意味です。実際に釘を使うのではなく、気の棒を穴に刺していく玩具です。

こちらは、目と手の協応を養う上で初期に取り入れる教材となります。上の写真はカラフルですが、最初は色を気にせず、穴に刺すことができるかどうかを評価しましょう。

覚醒の低いお子さんの場合、特にこの課題が有効だと思います。覚醒の低いお子さんの場合、何か目的をもって道具を使うという経験が脳を発達させます。

ペグボードにおける目的とは、ペグを穴にさすという目的です。単純ですが、このように目的をもって物を操作する経験を積むことがスタートです。

脳の覚醒について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

ビーズ通し

ビーズ通しは、片方の手でひもを持ち、もう片方の手でビーズを操作しながらひもに通していく課題です。

このように両手を使う必要があるので、より高度な道具を使う初期の練習として効果的です。

例えば、ハサミを使うときもボタンを留めるときも左右で違う動きが必要です。

両手を使うことが苦手だけど、芽生えが見られる場合にはこの課題が適しているでしょう。

はじめは、片方の手を教員が支えると成功経験になると思います。

これらを実際に使用した感想

今回紹介した教材は、学校にあったので実際に使ったことがあります。いずれも重度知的障害の子どもたちでした。

楽しく取り組めるような手本を示したり、子どもの好きなイラストを用いながら、5人ほど試しましたが、楽しそうに取り組んでくれたのは2人でした。

他の子はやってくれるもののすぐに飽きてしまいました。この例からもわかるように、興味は子どもによって違います。

目と手の協応を養うことは大切ですが、子どもの興味を大切にしながら、試行錯誤を重ねたいですね。

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