【キャリア教育インタビュー】薬剤師に聞いた仕事のやりがいと大変なこと

結論

薬剤師の仕事は薬の調剤と受け渡しだけでなく、継続的な服薬のアドバイスや処方せんの疑義がないかの確認などがあります。最も重要なことは、薬の有効性のチェックです。そのため、観察力や考える力(振り返り)が必要であり機械的な薬の受け渡しに陥らないようにすべきです。

  • 薬剤師の仕事について知りたい
  • 薬剤師のやりがいについて知りたい
  • 薬剤師の大変なことを知りたい
  • コロナ禍での役割を知りたい。

はじめに

薬剤師のイメージってすぐに湧きますか?

多くの方が「病院の帰りに処方された薬を渡してくれる人」くらいの認識だと思います。

そこで、現役の薬剤師の方に直接やりがいなどについてきいてきました!

業務内容は、わかりやすいサイトがたくさんあるので、今回は、やりがいやちょっと面倒なことなどを赤裸々に語ってもらいました!

詳しい業務内容はこちらをどうぞ!

薬剤師の仕事って?仕事内容・資格・年収など徹底解説!

インタビュー

薬剤師Kさんプロフィール

男性
神戸学院大学 薬学部卒
薬剤師歴40年
調剤薬局勤務

こぱん
今日は、キャリア教育ということで中高生に向けて、薬剤師として働くことについておうかがいします。どうぞよろしくお願いします!
Kさん
こちらこそよろしくお願いします!
こぱん
では、さっそく薬剤師の仕事についていろいろ聞かせてください。

薬剤師として働くということ

こぱん
薬剤師として働いていて、やりがいに感じる瞬間はなんですか?
Kさん
患者さんや施設の多職種の方々とコミュニケーションを重ね、信頼関係を築けたり、頼りにしてくれたときは嬉しいですね。

中には、患者様から私を指名して薬の説明を受けたいとおっしゃってくださる方もいて、今までの患者様の気持ちと薬学的知識に裏付けられた接客がよかったんだなと自信が持てます。

こぱん
薬局でも、指名されることがあるんですね!オドロキです。
Kさん
「かかりつけ薬剤師」という制度があるんですよ。

他には、老人ホームなどの施設で薬の管理に行くことがあるのですが、そこの多職種の方々に信頼を置いて接してもらえると嬉しいです。

こぱん
老人ホームなどの施設にも薬剤師が出向くんですね。知らなかったです。

薬剤師は、薬を渡すだけでなく、アドバイザーとしてたくさんの方々と関わっているんですね!

薬剤師として大変なことはなんですか?

Kさん
薬剤師は、処方の意図を注意深く確認するとともに、医師のカルテにあたる薬歴をもとに、薬の飲み合わせで危険がないかということやアレルギー、過去の副作用に関わらないかなどを確認して薬を渡します。
こぱん
処方の意図とはどういうことですか?
Kさん
例えば、慢性疾患で来られている患者さんには注意が必要で、今までは出ていた慢性疾患の薬が今回処方されていなかった場合、医師が明確な意図を持って中断したのか、処方の記載漏れなのかを直接医師に確認する必要があります。

もちろん、意図を持って中断している場合もありますが、医師の失念や事務の記載漏れなども少なくないので、すぐに処方した医院に確認します。

薬剤師は、薬剤師法で処方せんに疑いを認める場合、調剤してはならないとなっています。

こぱん
やっぱり医師も人なんですね。
Kさん
多くはありませんが、実際に起こりますね。薬局によりますが、統計的に2%前後の割合で記載漏れなどの疑いが起こっています。
こぱん
処方せん通りに薬を出してしまいそうですが、どうやって間違いに気がつくんですか?
Kさん
このような間違いに気づくためには、薬剤師が日頃から患者様とのコミュニケーションと処方薬に対して注意深く観察する意識が必要ですね。

継続して飲む必要がある薬が、服用されない期間があると治りが遅くなったり、症状によっては悪化する恐れがあるので、そこは気を抜いてはいけない部分です。

一方で、服薬の仕方を説明し薬を渡した後は、薬剤師が細かく関与できません。患者様によっては、ご自身の判断で服用回数を減らす場合もあるので、薬を渡すまでに用法容量の重要性をいかに伝えるかはいつも考えています。

こぱん
目に見える仕事は、調剤や薬の説明と受け渡しですが、コミュニケーション力や医師や多職種の方々との連携がいかに大切な仕事かということがわかりました。

学校薬剤師について/コロナ禍での役割

こぱん
会社の業務意外にも学校薬剤師としての役割もあるのですか?
Kさん
そうですね。
こぱん
簡単にその役割を教えてください。
Kさん
はい。教室の照度や黒板の色、傷の具合、騒音、カーペットのダニ、給食室の大腸菌検査など、学校生活を送る上で快適な環境衛生が保たれるようにチェックをしたりアドバイスを行ったりしています。

特に、理科の試薬は危険なものもあるので、警察の立ち会いのもと、適切な保管と処理法方が守られているかをチェックしています。

その他、現在コロナという状況のなかで学校保健委員会はほとんど開かれていないようですが、必要があれば意見、アドバイス年度はじめには『学校安全計画』を養護教諭の先生方と作成します。

こぱん
ありがとうございます。

普段の学校生活の中で薬剤師さんの姿は見えませんが、思っている以上に深く学校に関わっていただいているんですね。

コロナでの対応では薬剤師はどのように関わっているのですか?

Kさん
これは私の地域での話ですが、県や医師会の要請で薬剤師が主にワクチンの希釈・充填業務を行います。希釈でミスをした例も新聞に出ていたので、数に限りのあるワクチンが無駄にならないように慎重に扱っています。

ワクチンの希釈・充填業務は、新しい薬剤師の業務分野の一つになってきたと私は感じています。

こぱん
薬剤師を目指す学生に一言お願いします。
Kさん
常に考える習慣と疑問にもつ習慣を身に付けてほしいと思います。

薬剤師は接客業です。いろいろな背景の方が来られます。そうしたなかで、適切に薬を服用していただくために患者様によって伝え方を工夫する必要があります。

また、『大変なこと』でも述べたように、薬に関してミスがあれば薬剤師が気づかなければなりませんし、薬剤師が間違ってもいけません。

医師の指示だからといって自分の考えもなく投薬する薬剤師を多く見かけます。

機械的に、処方せん通りに薬を渡すだけでは危険です。ぜひ、ちょっとしたことでも疑問をもち考える習慣を身に付つけてほしいと思います。

そうした積み重ねが地域の薬局として信頼を高めると私は考えています。

おわりに

ネットで業務内容を知ることはできても、薬剤師さんの生の声を聞くことってなかなかないですよね。

今回の取材で、所属している薬局内の仕事以外にも施設に出向いて薬の管理をしていることにビックリしました。

処方せんを受け取って薬を渡すだけではなく、お伝えしてきた通り、現在薬剤師の業務は、施設や学校、ワクチンなど地域に出て仕事をする業務も多く、普段利用しているだけでは、気づかなかった役割を聞くことができました。

みなさんは、どうして薬剤師に興味をもったんですか?今回の記事があなたのキャリアを考えるきっかけになれば、私も、Kさんもうれしいです!!

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