結論
社会の仕組みや職業選びの考え方に加え自分を見つめ直すきっかけをくれる本です。マンガ形式の本で、14歳の男の子が主人公です。日本では、キャリア教育というものがありますが、安定が崩れた現代のキャリア教育にふさわしい教材になると思います。本記事は以下のお悩みを解消いたします。
- 働くとは何か知りたい
- 働くことが嫌だなと思っている
- 働き方が多用になったっていうけどよくわからない
- 結局好きなことを仕事にした方がいいの?ダメなの?
『なぜ僕らは働くのか』内容
中学2年生の隼人は、叔母にあたる優ねえちゃんに働くことについて書かれた本の原稿を渡されます。
その本を読んだり職場体験に行ったりして、働くことに対して考え気づき、今の自分を見つめ受け入れていきます。
「迷ってもいい、だけどいろんな職業や働き方があること、自分と向き合って自分の好きなことや得意なことを探してほしい。」
そんなメッセージが込められた作品です。
他にも社会の仕組みやどんな働き方があるのか、と考えさせられたり、子どもが好き=保育士という職業選択を疑問に思ったりするなどなんとなく思い描いた将来を具体的に考えるきっかけになる言葉がちりばめられています。
例えば、働き方改革が叫ばれているけれど、労働時間と自分の時間が五分五分だとそれでいいのか。という文章から、改めて自分に合った働き方とはなんだろうと考えます。
なんとなく現状を受け入れているだけで、考え始めるとうまく答えられないこともたくさんありました。
『なぜ僕らは働くのか』を読んだ感想
正解のない時代で考えるきっかけを与えてくれる本書を、中高生に強くおすすめします。
学校のキャリア教育が古く感じる
私は義務教育で行われるキャリア教育に疑問を感じています。
キャリア教育では、主に働く際に必要な態度やコミュニケーション能力の育成、情報を活用する力など4項目あり、それぞれで細かく、どのような能力を育成すべきかが明記されています。
しかし、それらを見るとまだまだ未完成です。キャリア教育の項目の1つに『将来設計』があります。『将来設計』は、常に変化している今の時代に必要でしょうか。
一方で『なぜ僕らは働くのか』は、社会の仕組みだけでなく時代が不変であることを前提に、否定も肯定もせず、粘り強さや好奇心、失敗からの立ち直りなど、本当に大切な力を伝えています。現代のキャリア教育の基礎はこの本に詰まっていると感じました。
学校に行かないという選択肢の肯定
『なぜ僕らは働くのか』では、学校に通うことを必ずしも良いことだとは伝えていません。学歴の便利さも伝えつつ、学校が全てと思わなくてもよいという考えです。
もし通うことができなくなったとしても、学ぶ場は学校外にたくさんあることを伝えてくれます。
私も、学校が嫌いでした。嫌々通っていたし、半年に1度は体調不良を装って休みました。ぼくの学校への違和感は、中学校がピークだったと思います。そして、実際に全国の不登校の割合も中学校がピークですよね。
学校側は、学校に再び通えるようにするためにいろいろな提案をしてきます。それは、学校の役割だから当然です。
そうした中で、学校に通わずに学ぶということを提案してくれる本に出合えることがとても、救いになる子もいるはずです。
いろいろな選択肢を知り、大人と一緒に考え、自分の環境を見つけるという過程はとても大切なものだと思います。
『なぜ僕らは働くのか』まとめ
中高生向けの本と思いきや、社会人にも「今の時代で働く」ということを考えさせられる本でした。あなたが、もしキャリア教育担当の先生でしたら、熟読してほしい一冊です。
マンガなので、忙しくても読みやすいですよ!
そして、自分の働き方やキャリア教育についてアップデートして子どもたちに伝えてほしいです。
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