発達障害のお子さんが高校卒業後を見据えた高校選びのポイント

本記事でわかること

  • 特別支援学校の就労サポート
  • 発達障害のお子さんの学習サポートが手厚い高校
  • 進路選択のポイント

発達障害のお子さんの進路や就職のイメージは湧いていますか?意外とネットに出ている情報って少ないと思いませんか?

発達障害といっても簡単にボーダーが引けるものではないので、高校や就職を考えるときに、自分の子どもにあったものを考えるのはとても難しいです。

でも、最近では、もっと幅広く視野に入れて考えることができるんですよ。それに、特別支援学校高等部ではどんなサポートをしてもらえるのかも気になりますよね。今回の記事では、発達障害のお子さんが知って損はない高校進学と障害者雇用について徹底解説していきます。

より自分にマッチした選択ができるお手伝いができれば幸いです。

発達障害のお子さんに合った高校選びのポイント解説

  • 高等学校卒業資格が必要か
  • 高校を卒業するまでにどのようなサポートが必要か
  • 就職に対するサポートはどの程度求めるのか
  • 進学を考えているか

この4つの観点で探すと自分に合った高校が見つかりやすくなると思います。

ポイント①高等学校卒業資格か特別支援学校高等部卒業資格か

特別支援学校高等部(以下、高等部)卒業と高等学校卒業は違います。実は、高等部は障害のある方の就職に特化したカリキュラムを組んでいるので、高等学校卒業に必要な単位が足りないんですよ。

だから、最初に考えるべきポイントは、高等学校の卒業資格が必要かどうかなんです。

やっぱり、一般就労を目指すなら高等部卒業よりも高等学校卒業の方が有利です。さらに、高等部卒業は、大学入学資格こそ得られるものの、大学側が定める受験資格に「高等学校卒業」としているところもあるので、注意しましょう。

これらを考慮して、「高卒資格はいらない!とにかく地元で確実に就職してほしい」と考えるなら高等部へ。高等学校卒業資格を得て就職する幅を広げたいなら数ある高等学校の中から選ぶことになります。

ポイント②高校を卒業するまでにどのようなサポートが必要か

高等学校への進学・卒業を目指すなら学習に対してどんなサポートが必要なのかを考えていきましょう。カリキュラムをこなすためのサポートを受けられる高校を見つける必要があるからです。

たとえば、発達障害のお子さんのサポートに特化したコースを設置している通信制高校や、発達障害や不登校という理由で学び直しをしたい子のためのエンカレッジスクールという学校もあります。詳しくは、下の『発達障害のお子さまがサポートを受けられる高校の種類』で解説しますね。

ポイント③就職に対するサポートはどの程度求めるのか

卒業までのサポートと同じくらい重要なのが、就職サポートです。高等部には、進路担当の先生が手厚く指導したり、職業実習の面倒を見たりしてくれます。さらに、地域の企業と強いつながりがあるので、安心して学校に任せて良いです。

一方、高等学校だと本人も保護者の方も積極的に情報収集していく必要があります。とはいえ、全て自分ですることはありません。自治体が営む発達障害の方の就労支援もあるので大いに利用していきましょう。

ポイント④進学を考えているか

大学、専門学校への進学を考えている場合、2つのパターンがあります。

1つ目が高等学校に通いながら民間の塾に通う方法です。

進学するためには、学力をつける必要があります。でも、全日制の学校だと1人の生徒に割ける時間に限界がありますよね。

そこで、発達障害のお子さんに特化したコースのある塾や家庭教師を利用しながら進学を目指すのがおすすめです。

2つ目は通信制高校です。近年、発達障害のお子さんや不登校のお子さんの学びたい!というニーズに答える学校が増えています。

また、通信制なら全国どこでも在籍可能なので住んでいるところに縛られることなく、選べるのも大きなメリットです。

発達障害のお子さんのサポート体制が整っている学校はここのサイトがわかりやすいですよ。

https://www.find-tsushinsei.net/shogai/

発達障害のお子さまがサポートを受けられる高校の種類

  • 特別支援学校高等部
  • 通級指導教室を利用しながら高等学校卒業を目指す
  • 発達障害のサポートが充実した通信制高校
  • エンカレッジスクール

それぞれの学校が行っている学習支援や就労支援について解説します。

特別支援学校高等部

高等部は、就職に対して進路指導担当がしっかりとサポートしてくれます。実習先の提案・決定だけでなく、実習先を巡回して企業との適性をチェックします。

高等部の3年生になると4回程度のインターンもあります。インターン後には、企業から評価をしてもらい、評価シートをもとに、進路指導担当教諭が徹底的に指導をしてくれます。

高等部は就職の候補となる企業との関係性が築けているのも強みです。

このように高等部では強いつながりのある企業があるので、就職しやすくなります。手厚いサポート、スムーズな就労を期待するなら、特別支援学校高等部を目指した方が良いでしょう。

高等学校(通級指導教室を利用)

一般の高等学校に通いながら、放課後に通級指導教室にも通うという選択肢です。

通級指導教室とは、通常学級での授業にある程度ついていくことができるけど、一部サポートが必要なお子さんを対象にしています。

指導内容は『自立活動』で、勉強や生活面で苦手な部分に着目し、できることを増やしていきます。今までは小中学校にしかありませんでしたが、少しずつ高等学校の通級指導教室が増えてきています。

高等学校でも十分やっていけるけど、人間関係や心理的に不安定などの不安がある方におすすめです。気になる方は、各教育委員会に特別支援教育推進部があるので問い合わせてみましょう。

通級指導教室の注意点は、目的が学習の補助なので、ソーシャルスキルは学べても就労に直接結びつくような支援は受けられません。

発達障害のサポートを整えた通信制高校

近年通信制高校では、発達障害のお子さんのサポート体制を整えたコースを設置している学校が増えています。しかも、発達障害に関する資格を保有している人が相談員となり学校生活や就職活動、心理的な不安をサポートしてくれます。

デメリットとしては、提出物や選択する科目などをある程度自分で管理する必要があるので、慣れるまで大変な面もあります。

とはいえ、自己管理も含めてサポートしてもらえますし、期限を守って提出することや自分で決めて動くというスキルは社会で必用なことですので、乗り越えれば大きな成長が期待できますよね。

カリキュラムをこなすためにしっかりサポートしてほしい方、集団で授業を受けることが苦手な方におすすめです。もちろん、同級生とコミュニケーションをとる機会はきちんとありますよ。

エンカレッジスクール

エンカレッジスクールとは、中学校までに持っている力を発揮しきれなかったお子さんを励まし応援することをコンセプトにした学校です。中学時代に登校だった子や発達障がいで学習が遅れている子の学び直しができる学校です。

特定の東京都立高校が行っており、現在は蒲田高校、足立東高校、中野工業高校、練馬工業高校、東村山高校、秋留台高校の6つの高校がエンカレッジスクールとして運営しています。

2017年に東京都教育委員会が行った調査によると、保護者生徒ともに教育内容に関して満足しているとの回答を得られています。

神奈川県では、クリエイティブスクールという名称で田奈高校、釜利谷高校、横須賀南高校、大井高校、大和東高校が設置されています。

ただし、就職支援に関しては、特別なパイプがあるという訳ではありません。その子に合ったきめ細かな学習サポートをしてもらえるということです。

もちろん、基本的な面接指導や職業選択の相談など受けてもらえますが、特別支援学校ほどの手厚さはないので要注意です。

発達障害のお子さんが知っておくべき就職形態まとめ


高校卒業後は、就職を考えていますか?それとも進学ですか?いずれにせよ、いつかは訪れる就職。発達障害のお子さんが知っていて損はない、一般就労以外の選択肢を簡単にお伝えしますね。

支援を受けながら働ける制度や事業所があるので参考にしてください。

  • 一般就労障害者枠
  • 就労継続支援事業A型
  • 就労継続支援事業B型
  • 就労移行支援事業
  • トライアル雇用
  • ジョブコーチ

障害者枠就労とは

障害者枠就労とは、一般企業が行っている求人の1つです。年収は250~350万円程度でアルバイトや契約社員という身分が多いです。

数字でわかるように年収は低いです。ですが、採用する際に本人の得意なことと業務内容をマッチさせるような努力を企業がしてくれることが多く、働きやすい環境が整っています。

例えばユニクロは、社員向けに障害者雇用に関する研修をしているので、会社全体で安心して働ける職場環境を作る動きがありますし、2021年の障害者雇用率は4.6%と、積極的に採用していることもわかります。(国の基準は2.3%以上。)

就労継続支援事業A型とは

就労継続支援事業A型は、事業所と雇用契約を結んだうえで業務を行う福祉サービスの1つです。最低賃金が保障されているのが大きな特徴で、月給は6万円から8万円程度になります。

仕事内容は、パソコンのデータ入力やレストランのホールなど作業がメインですが、ある程度コミュニケーション能力も必要な仕事が多いです。

就労継続支援事業B型とは

A型と同じく障害のある方を対象にした就労支援の福祉サービスです。B型は、雇用契約を結ばないので最低賃金を支払う義務がありません。また、賃金ではなく、工賃として支払われるため、月給は1万~3万円ととても安くなっています。軽作業を中心とした業務です。

就労移行支援事業

障害のある方が一般企業に就労するのを支援する福祉サービスです。転職する際に、一度就労移行支援を利用される方や、高等部卒業後、まず就労移行支援で就労に必要なことを学び就職を目指す方もいます。

受けられるサービスは主に3つです。

  1. 継続して働くために必要な生活管理やコミュニケーション、専門的なスキル
  2. 就職活動のサポート
  3. 就職後のサポート

また、利用できる方も限られており、対象者は障害者手帳を持っており一般就労を目指す方です。継続支援事業への就職を希望される方は対象外です。

就労移行支援は、自治体が行っているサービスですので、市町村が設置する福祉課に問い合わせてみてください。

トライアル雇用事業

求職者と企業とのミスマッチを減らす制度です。3カ月の試用期間でお互いに会社に合っているかを見極めながら働くことができます。

ハローワークでトライアル雇用事業を実施している会社を紹介してもらえるので相談してみましょう。

ジョブコーチ

ジョブコーチとは、就職後の仕事をサポートする人材を企業に派遣する支援事業です。どうしても、障がいのある方の離職率が高いので、職場定着を目指した支援制度となっています。

ジョブコーチは、企業に仕事内容の助言をしたり、就労者本人の健康管理、コミュニケーションの補助など職場定着のために様々なサポートをしてくれます。

利用するには、ジョブコーチ支援事業を行っている会社に、本人か企業が派遣を申し込む必要があるので一度問い合わせて見てくださいね。

COLUMN 発達障害のお子さんが知っておくべき高校卒業後の進学先の例

高校生のあなたが、進学したいけど勉強についていけるか不安を感じているならこのコラムを最後まで読んでください。

実は、大学や専門学校では、配慮してほしいことを事前に伝えることで試験で合理的な配慮をしてくれます。それから、入学後も発達障害の方のサポートをするための相談窓口やカウンセリングを設けている大学は多いんですよ。

例えば、横浜市立大学はバリアフリー支援室という相談窓口を設置し、音が気になって授業に集中できないや、サークルでコミュニケーションが取れなくて困っているといった相談を受け付けています。

興味ある進学先の障害者支援について調べることは、あなたの人生の質を向上させます。

 

まとめ

発達障害のあるお子さんと言ってもひとくくりにはできませんよね。だからこそ、高校、大学、就労への選択肢が増えてきたことを知ってほしいと思い、この記事を執筆することにしました。

実際に、お子さんも保護者の方も将来に不安を抱いている方は多いです。ぜひ、この機会にお子さんの高校選び、就職への希望を話し合ってみてください。

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