結論
『未来の教室』は、「頑張って勉強する」という従来の考えから「ワクワクしながら勉強する」に転換する経済産業省の取り組みです。ICTやデジタル教材を駆使し、学校教育を改革します。本記事は以下の疑問を解消します。
- 現場のICT化は世間のICT化と比べて遅れていると思う
- 知識を活用した授業展開ってどうすればよいのか
- プロジェクト型の授業の実践例を知りたい
目次
『未来の教室』とは
『未来の教室』は新しい学びの形を具体化し実現していく取り組みです。
新しい学びの形とは、ひとりひとりが興味関心を追求し専門知識を身に付け、未知の課題に対する解決策を探すプロジェクト型の学習です。つまり、子どもたちがワクワクしながら学習を進めてくことが重要だという考え方を柱にした政策です。
『未来の教室』にあふれる最新の実践・使える教材
『未来の教室』のサイト内には、「steam library」「 EdTech ライブラリー」「学校BPR」の3つに分類して教材や動画を提供しています。
それぞれには、『未来の教室』の考え方に賛同する学校が協力しており、ICT 活用やプロジェクト型の学習を取り入れた実践例がたくさん紹介されています。また、キャリア教育や今後のプロジェクト学習に使える動画教材も豊富にそろっています。
steam library
steam libraryでは動画教材を見ることができます。科学技術から数理系、介護等幅広い分野がそろっています。
例えば「心地よさの探求」という動画では、感情のコントロールやマインドフルネスについて触れています。他にも蟻の生態や日本の伝統、チョコレートなど省庁が関わるサイトにしては意外にもポップな動画もありました。
すでに興味のある分野がある子は自分で調べればよいですが、まだまだ自分の興味ある分野が見つかっていない子にとって、いろいろな種類の動画があるsteam libraryは、自分の興味を知り、深めていくきっかけになるサイトだと思います。。
EdTech ライブラリー
EdTechとは「エドテック」と読み、教育現場にICTを効果的に活用していく取り組みの一つです。未来の教室が手掛ける『EdTech ライブラリー』では、実際にICTを活用した教育実践を紹介しています。
例えば、オンライン学習教材のデキタスを取り入れた横浜市立鴨居中学校では、特別支援教室の和ルームに在籍する生徒の半数が自主的に学習できるようになったと報告しています。
デキタスについて詳しく知りたい方はこちら
学校BPR調査(働き方調査)
学校BPRでは、教員の働き方改革を後押しする提案がされています。学校BPRが行っている提案は主にデジタル化による業務改善です。
例えば、グーグルドライブでの情報共有や授業時間の見直し、予定表などを紙ベースからデジタルベースへの転換が提案されています。
私の知っている自治体では、2021年から欠席連絡や行事前の保護者へのお願い、緊急連絡はメールで完結するように整いました。
『未来の教室』では、小さな工夫の積み重ねで平均60時間から65時間ある残業時間を55時間から58時間に減らすことができるのではないかと試算しています。
修道中学高等学校の授業『データを分析して新しい旅行プランを提案しよう!』
修道院中学校では、『データを分析して新しい旅行プランを提案しよう!』という題材で6時間展開しました。なんと実際にJTBの広島支部の方たちと連携し『生徒企画型修学旅行』という新サービスも誕生したようです。
この授業で使われた主な教材は、観光予報DSです。
観光予報DSでは、
- 自治体ごとの人口・観光・産業などの基礎データ
- 相関分析・他都市との比較・過去との比較
- 仮説案の経済的波及効果予測
を知ることができます。
授業では、観光予報DSで集めたデータを分析して新しい旅行プランを考えていきます。実際には、以下のように展開したようです。
『データを分析して新しい旅行プランを提案しよう!』の展開1 観光予報 DS の構成について学ぶ
観光予報 DS の構成を学ぶ。日本国内で自分が行きたい観光地を選び、理由を説明
2 データ(根拠)から街や地域の魅力・課題を見つけ出す
観光予報 DS を操作。データや様々な情報から街の特徴を把握し、街の魅力と課題を整理
3 魅力発信+課題解決のためのポスターをデザイン
テーマやキーワードを絞り込み。図やグラフを活用して、情報を分かりやすく編集
4 伝えたい内容をブラッシュアップ
ポスターのデザイン案を互いに発表し合い、内容を吟味して取捨選択・改善(再編)
5 魅力を発信するポスター発表会
各グループから新しい魅力・課題解決策を提案(発表)し、互いに審査
6 応用課題「JTBを救え!」
つまらない勉強からわくわくする勉強へ
従来の教育では、つまらなくても勉強を頑張ることで将来の道を切り開いていく形でした。学校の先生も勉強はつまらないという前提だったと思います。つまらないものだからこそ、先生たちは、教材研究をして子どもたちがいかに興味を抱くような問いかけができるかという視点で授業をつくってきたのです。
しかし、『未来の教室』ではその考え方から脱却し、子どもの興味関心をとことん追求するスタイルを目指しています。また、その学び方を支える環境を模索しています。
今の学校システムに疑問をもっている方、ぜひ『未来の教室』をのぞいてみてください。新たな視野、経済産業省がどのように教育を捉えているのか、ちょっと意外で驚きのある発見があるはずです。
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