【個別課題をご紹介!】発達障がいの子にことば・文字を習得させる学習手順

結論

文字の指導は、マッチングが基本です。単語を見てその単語が表すイラストを選択できれば、文字の概念を習得していると判断できます。本記事は、以下のお悩みを解消いたします。

 

  • 文字の指導の仕方が知りたい
  • 文字の指導を始めるタイミングが知りたい
  • 文字のマッチングはできるけど、単語が物の名前を表すことに気づいていない
  • 語彙を増やしたい

文字を理解するとはどういうこと?

文字を理解するとは、文字が物の名前を表したり、コミュニケーションを取ったりすることができるということに気づくということです。

そのため、文字のマッチングができることは、文字理解の一歩目であって、文字を理解したとは言えないのです。

実際に、文字のマッチングから次のステップに進めないお子さんはたくさんいらっしゃいます。

マッチングとは

マッチングとは、机上に複数ある物の中から大人が示した物と同じ物を選択できる能力のことです。

例えば、机上に傘、靴、いぬ、コップの絵カードがあったとします。大人は、同じ絵カードを手元に持っておきます。

大人が、コップの絵カードを提示しながら「同じものをください。」と発言し、子どもが机上にあるコップの絵カードを指差したり、大人に渡すことができれば課題はクリアです。

文字指導の手順

先程も触れましたが、マッチング課題が発展し文字のマッチングに取り組むことが、文字理解の第一歩です。

文字のマッチングに取り組む前に、絵カード同士のマッチングができるか確認しましょう。できれば、写真とイラスト(傘の写真と傘のイラスト)のマッチングができると文字概念の理解がスムーズです。

①文字のマッチング

机上に5種類程度の文字カードを置き、一文字ずつ大人が提示した文字をと同じ文字を子どもに選択させます。

②単語のマッチング

『文字のマッチング』の単語バージョンです。同じように「かさ」「いぬ」などの単語を5種類程度用意して行いましょう。

子どもにとって身近な単語を選ぶと習得しやすいです。

③文字付き絵カードと単語のマッチング

机上には、文字付きの絵カードを並べましょう。大人が提示するのは、単語のみ書かれたカードです。

この課題は、大人が提示した単語と机上にある文字付き絵カードを見比べて正しく選択できるようにする課題です。

つまずいた場合、イラストと文字が書かれた情報に混乱している可能性があるので、机上のカードを減らしたり、文字付き絵カードの絵を隠して選択できるようにしましょう。

④文字なし絵カードと単語のマッチング

文字付きの絵カードでスムーズに課題を遂行できるようになったら、いよいよ絵カードと単語のマッチングです。

机上に絵カードを並べ、大人が提示する単語カードの表すものと同じ絵を選ぶことができれば課題はクリアです。

今までの課題によって、物に名前がついていることには気づいていると思います。そのため、この課題は、記憶力も必要な課題となります。

この課題でつまずいた場合、集中力や記憶の容量を拡大する課題も必要になります。

⑤おつかい(音声と文字のマッチング)

この課題は、「傘をとってきて」という言葉かけを理解し、かさという文字を選択できるかをみます。つまり、音と文字のマッチングです。

最初は、実物の傘に「かさ」と書かれた紙を貼りましょう。覚えてきたら、紙をはずします。

おわりに  言葉が先か文字が先か

発達障がいのあるお子さんは言葉の習得と文字の習得では、どちらが先だと思いますか?

これは、言葉が先です。当然と思うかもしれませんが、意外と重要な視点です。

自閉症のお子さんや知的障がいのあるお子さんの中には、言葉による表出はできないけれど、相手の言葉は、ある程度理解していることが多々あります。

相手の言っていることを理解し、コミュニケーションをとりたい、相手に自分の思いを伝えたいという気持ちが、怒る、泣く、笑う、という表出からカードやジェスチャーを使ったコミュニケーションに発展していくのです。

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