【特別支援教育】おすすめの個別課題教材ー物の永続性と空間認知機能を育てる学習ー

結論:初期の空間認知を高めるには、「コップで物を隠して見つけることができるか」という課題をしましょう。
  • 個別課題でどのような課題を設定していいのかわからない方
  • 初任者で個別課題の設定イメージができていない方
  • 担当するお子さんに、空間認知機能の苦手さがあると感じている方
  • 大切な物を失くしたときに、物を探すという行為が見られず、泣いてしまう子をどのように指導していくか悩んでいる方

これらの悩みを解消いたします!!

課題の内容と手順

子どもの頃よく、手で物を隠して「どっちだ!?」という遊びをしたと思います。それをコップを用いて行います。

この課題では、物の永続性、追視、短期記憶を図ると共に、伸ばすことを目的としています。以下に手順を示します。

手順

  1. 不透明のコップを用意し、片方のコップに子どもが興味をもっているおもちゃを隠しましょう。
  2. 隠す場面は子どもにしっかりみせましょう。このとき、子どもが追視できているかもチェックしましょう。
  3.  教員が「おもちゃはどっち?」と聞きます。子どもが正しい方のコップのみをひっくり返し、おもちゃを取り出すことができれば、この課題はクリアです。

発展させるなら、コップを三つにしたり、おもちゃを隠したあとで、コップの位置を入れ換えたりすると位置記憶や追視の機能を高める課題となります。

この課題でつまずくとしたら?

この課題でつまずきやすいところと、課題達成の支援指導をご紹介します。

両手で2つのコップをひっくり返す。または、適当にコップをひっくり返す。

基本的に、この2つの実態は手段が違うだけで、同じつまずきがあると考えられます。

物がコップに隠されたことに気づくことはできていると判断できます。よって課題は、以下の2つだと考えられます。

  • 追視できていない
  • 空間認知が育っておらず、隠された瞬間にわからなくなっている

ただし、両手がでる場合、手指の不器用さから両手がでてしまうこともあります。その場合は、片方の手を握ってあげて片手でコップをひっくり返すかどうかをみてください。

もし、片方の手でおもちゃを確実に取り出せるのであれば、この課題はクリアとみなしてよいでしょう。

では、指導手順をみていきましょう。

指導手順

① 2つのコップを透明コップに変えて課題ができるかをみましょう。

ここで、正解ができない場合、隠された物に興味がないか、認知の発達が、この課題に到達していないと考えてよいでしょう。できたら、次のステップの進みます。

② 1つを透明コップ、もう1つを不透明コップにします。不透明コップに隠しても物がとれるかトライしてみましょう。

できなかった場合、2~3回程度、透明コップの方におもちゃを隠してとらせましょう。そして、再び不透明コップに隠すととれるようになります。

③ 両方のコップを不透明コップにして取り組みましょう。

ここまで来ると、一回でおもちゃを取り出すことができるようになっています。できなかった場合、1つ前の手順に戻って繰り返し行いましょう。

コップをひっくり返そうとしない。

おもちゃを隠しても、子どもが行動しなかった場合、何をしたらよいのかわかっていないか、物が隠されたことに気づいていないかのどちらかだと考えられます。

この場合も手順は、先程と変わりません。透明コップでおもちゃを取り出せるかどうかをみましょう。最初は先生が、指さしでどこに隠したか教えてもよいでしょう。

子どもに、コップに隠したおもちゃを取り出すということが伝わればOKです。

ワンポイント

おもちゃを隠されても、探さない場合、認知的に低い可能性があるので、「おもちゃをとったら遊べる。」というように、明確なメリットを用意していた方がいいと思います。

そのため、複数のおもちゃを用意し、おもちゃ獲得後、次はこのおもちゃをとりましょう。というようにする必要があるかもしれません。

集中力が続かない場合は、一日1回のセッションで少しずつ透明コップから不透明コップに変えていくなど長期的に取り組むことも考えておくとよいでしょう。

また、脳が覚醒していない場合、個別課題の前に軽い運動をすると意識が外に向かい成功確率があがります。

脳の覚醒については、こちらの記事で詳しく書いたので参考にしてください。

まとめ

  1. おもちゃを隠したときに、探せるかどうかで記憶力や空間認知を確かめることができる。
  2. 隠すものは、子どもが興味関心が高いものを選ぶ。
  3. 2つとも透明コップ→1つは透明コップ、もう1つは不透明コップ→2つとも不透明コップという順序で取り組む。

ぜひ、取り入れてください!

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