【書評】学級の立て直しにも、スタートにも使える本『メンタリストDaiGoの学級経営が5分で変わる心理学』

結論

この本は、心理学を学級経営に落としこんだ、具体的な指導方法が書かれています。心理学者でなくてもすぐに使える知識が満載です。本記事は、以下のお悩みを解消します。

  • 学級経営について書かれた本を探している。
  • 『学級経営が5分で変わる心理学』を購入するか迷っている。
  • クラスの男女仲が悪い。
  • 積極的に係活動に参加する方法を探している。

内容


心理学をベースに学級のトラブルを解決する方法や子どもの集中力、主体性を高めるテクニック、保護者対応のコツまで紹介されています。

タイトルに『5分で変わる』とある通り、1つ1つの項目は簡潔にかかれており、イラストもついてわかりやすいです。紹介されているテクニックは、どれも簡単に実践できるものだと感じました。

この本の知識で、私が解決した問題

本書のChapter-02の中で、『学級における男女の問題』という項目が大変参考になりました。

男女の中が悪いという問題は、高学年や中学生くらいだと少なくないのではないでしょうか。

この本によると、トラブルが起こったとき、男女間で注意の仕方やケアの仕方を変えた方がいいと書いてありました。

具体的には、女の子には、起こったトラブルに対して沸き起こる感情をケアした方がよく、男の子の場合、トラブルを解決、仕組みによる解決が求められます。

もちろん、女の子に対応する場合でもトラブルの解決は必要ですが、優先順位として、まず感情面に共感しケアしましょう。

という内容でした。

私はこの男女で抱く感情の差に注目し、バドミントンの指導をするとき褒め方を意識的に変えています。

男の子の場合は、目に見えるものや実感しやすいことの方が響くので、結果に注目して褒めるようにしています。

例えば、あのショットの精度があがったね。と伝えています。

女の子の場合は、感情やプロセスに注目してもらうと響くので、

例えば、「普段からこつこつと素振りをしているね。」と伝えたり、「3年生には、チームをまとめるのって大変だけど、頑張っているね。」

というようにねぎらうことを意識して褒めています。

このように男女で受け取り方や響く言葉が違うことを知り、実践していくことで、子どもとの人間関係が深まってきたと実感しています。

おもしろいと思ったテクニック

上のこと以外にもユニークなテクニックが解説されていました。

ネーミング効果と発想力を高める工夫です。

子どもが自分から動くネーミング効果

学校では、様々な役割を子どもたちが分担しています。しかし、それは子どもによって好きな仕事かもしれませんし、仕方なくやっている仕事かもしれません。

どんな仕事にもやる気をもって取り組むようにするために、活動する際にグループ名を決めさせるとよいそうです。

ポイントは、活動に対するコンセプトがわかるようなネーミングです。

私が小学生の頃、「配りもの係」という係活動がありました。このネーミングだとおもしろくないし、人によっては雑用というイメージもある活動なので、このネーミングという心理学効果を知り、「ハイスピード配りもの係」というネーミングを思い付きました!

これだと、「すぐに配る」というコンセプトが見えます。さて、このネーミングを子どもたちから引き出す必要があります。発想力を引き出すためには、条件があったのです。以下をご覧ください。

発想力を高めるには、「制限をかける」ことが必要

”人間の創造力は、ある程度制限された中でないと生まれません。”

とありました。確かに、何か企画を提案するときは「たたき台」をつくり、それをベースによりよいアイデアに繋げる方法も多いですよね。

また、テレビで見ましたが、美術系の大学生に「怖いリンゴを描いてください。」と示したところ、ほとんどの学生がりんごにハロウィンのような怖い顔をつけていました。

しかし、次に「りんごの形はそのままにして、怖いりんごを描いてください。」と条件を出したところ、りんごの色を工夫する学生や影の付け方工夫する学生、中には、背景を工夫する学生など、十人十色の作品となったのです。

この例からもわかる通り、発想力を引き出すにはある程度、制限が必要なようですね。

おわりに

このほかにも、喧嘩の構造や仲直りの仕方、自己コントロール能力の高め方、授業中の指名の悩み、グループを組むときのコツなど、学校現場でまさに起こっている出来事の解決方法やヒントがつまっていました!

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