発達障害の子どもの発達と自立を促す療育とは?その種類と目的を解説!

結論

療育には、主に作業療法、理学療法、音楽療法があります。作業療法は、日常生活をよりスムーズに行うための方法を、理学療法は、歩行や階段昇降などの運動機能を高める方法を、音楽療法は、音楽活動を通して気持ちの安定や認知、運動機能を高める方法で発達を促します。

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  • 音楽療法について知りたい
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療育とは

療育とは、発達障害の子どもの心身の健康と発達を促すことを目的とした治療と教育を兼ね備えたプログラムです。

療育には、いろいろな種類があり、実施をするのに国家資格が必要なものや民間が資格を出し、専門性を保証するものもあります。

いずれにせよ、療育を行うプロは、発達障害の知識や子どもの発達の知識だけでなく、高い指導技術も必要とするのです。

療育の種類

療育は、さまざまなものがあります。子どもの興味関心に合わせて選んだり、施設を見学してよいスタッフさんがいるところを選んだりしましょう。

作業療法

作業とは、人が営む生活行為と定義されています。つまり、物を運ぶことはもちろん、家事、遊び、仕事も作業に含まれています。

療育として行う際には、ビーズ通しやつまむ課題などの細かい動きや、トランポリン、ブランコなどの大きな動き、着替えや排泄などの日常生活動作まで幅広くアドバイスをもらうことができます。

特別支援学校では、着替えや食事、個別の課題で手先を使う課題などを見てもらい、適切な指導方法や課題の設定、用具の紹介をしてもらいます。

理学療法

理学療法は、運動機能を高めるための療育です。主に、運動障害のある子や運動機能の発達が遅れている子に対してアドバイスを行います。

特別支援学校では、歩行や階段の昇降、椅子や机の高さが合っているか、などをアドバイスします。

具体的には、教員が補助をする際に子どもに対してどの位置に立って,どこを支えればよいのかや、歩行走行を見てどのタイプの靴(スニーカータイプか、中敷きが必要なのかなど)がその子に合っているのかなどをアドバイスしてもらいます。

作業療法士でも見てもらうことができますが、身体の動きに関してより詳しい見解を示してくれるのが理学療法士ということです。

音楽療法

上記の作業療法士と理学療法士が国家資格なのに対して、「音楽療法士」は民間企業が出している資格ですす。

音楽療法は、音楽に合わせて身体を動かしたり、楽器を演奏したりすることを通して、運動機能や認知機能を高める目的で行われます。

音楽の授業とは違い、楽譜やリズムに合わせることは求められず、子どもがリズムを感じとり自然に身体を動かしたり、楽器を思いのままに演奏することが目的です。

つまり、技術の向上ではなく、感じたり、興味を引き出すことに重点をおいています。

音楽の授業では、指導案を作成します。指導案には、授業の流れや子どもに考えてほしいこと、習得してほしいことなどを明示します。

一方で音楽療法ではプログラム案というものを作成します。このプログラム案は、だいたいの流れを決める程度です。実際には、子どもたちの態度や興味関心の程度を見ながら途中で、音楽や提示する楽器を臨機応変に変えていきます。

その他の療育

その他にも、コミュニケーション能力を育む認知行動療法や用意された材料を使って箱のなかを自由に装飾する箱庭療法、大人が介入せず子どもに自由に遊ばせる遊戯療法(プレイセラピー)などがあります。

ちなみに、箱庭療法も遊戯療法も何かの機能を高める目的ではなく、その子の心理状態をさぐり今後の治療に役立てようとする試みです。

おわりにー療育の効果とは?ー

 

これらの療育は、研究も進められており、効果をあげているものもあります。しかし、療育は完治を目指すものではなく、障害を認めつつ生活の質を高め、自立できる範囲を広げるサポートをするものであることを忘れてはなりません。

というのも、右肩上がりにできることが増えていくことはありえないからです。

療育に期待を寄せたにもかかわらず、理想通りに子どもが成長できないとストレスになり、子どもとの関係が崩れてしまう恐れがあります。

もちろん、療育を頑張った先に、子どもの成長や発達を約束してくれるならいいのですが、その保証はどこにもないのが現状です。

また、その療育を施したからできるようになったのか、それとも、療育を受けた時期と子どもの成長した時期がたまたま重なったのかは調べることができないのです。

もちろん、音楽療法や作業療法のプログラムが好きなお子さんもいます。その子にとって、療育の時間、療育の先生と関わる時間はとても有意義なものとなるでしょう。

脳がわくわくしている状態は、脳の発達を促すと考えられます。そういった時間を大切にしつつ、できることも増えるといいなという考えなら、療育はとてもよい経験になると思いますが、療育が苦痛になるくらいならやめた方がいいと私は考えます。

 

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