結論
ディスレクシアは読むことが苦手な障害です。文字が歪んで見えたり、文字から単語や具体物をイメージすることができなかったりします。支援としては、ビジョントレーニングをしたり、デジタル教科書、拡大教科書を積極的に使ったりしましょう。
目次
学習障害とは
学習障害とは、知的障がいはないが、計算や読み書き、推論をする力が著しく苦手である障害です。具体的には、
- 漢字などの文字は覚えられるけど、暗算が全くできない
- ひらがなは読めるけど書くことができない
- 言葉を聞くと理解できるけど、読み書きは人の数倍時間がかかる
- 文字が歪んで見える
などなど、千差万別でここに書ききれないほど、学習障害は、様々な症状や程度があります。
原因はよくわかっていませんが、目で視て処理する脳の過程がうまく機能していないと考えられています。
学習障害は、主に3種類で分けられるので下記にまとめます。
- 読字障害(ディスレクシア):読むことが苦手
- 書字障害(ディスグラフィア):書くことが苦手
- 算数障害(ディスカリキュア):計算や図形など算数で取り扱う内容の一部が苦手
ディスレクシアとは
ディスレクシアとは、学習障害の中でも読字障害のことを指し、読みの苦手さを意味します。
ディスレクシアの困難例
ディスレクシアの見え方にはいろいろな例があります。どのような見え方があるのか、イメージできるようにしました。
文字が歪んで見える
文字がぼやけて見える
文字が重なって見える
文字が反転して見える
文字は普通に見えるけど、単語のまとまりとしてとらえることができない。
「きょうは、こうえん に いきました。」
このような文章があったとすると、ディスレクシアの方もこの通りに見えます。
しかし、見えた文字を意味のある単語としてとらえることができないのです。
通常なら、「きょう こうえん いきました。」
という単語をとらえてスムーズに読み、今日という時間、公園という場所、行くという動作を理解することができます。
しかし、ディスレクシアの文字から意味をとらえることに困難がある場合、「きょ……うは…きょう……は、きょうは……、(あ、これは今日という意味なんだな)きょうは、こ…う……えん……こう…えん……こうえん……(こうえんって公園のことか)」
このように1つ1つの単語は知っていても、文字から単語にまとめて認識し、具体物をイメージすることができず理解に苦労します。
しかし、ディスレクシアは文字の認識が苦手なだけなので、「今日は公園に行きました。」と誰かに読んでもらえれば、みんなと同じようなスピードで理解できます。
その他
読み飛ばすことが多い子や、あ、お、わ、れなどの似た字の区別が難しい子もいます。
ディスレクシアの方の支援方法例
ディスレクシアの子がスムーズに学習に取り組むための支援方法をご紹介します。
文字が歪んで見えたり、文字を音声に変換することが苦手な場合
デジタル教科書の音声ガイドを使用したり、拡大教科書を注文しましょう。また、配布するプリントのフォントや文字サイズも配慮しましょう。
また、文字は書けないけど、キーボードなら読めるし書けるという事例もあるようです。学習障害は、オーダーメイドの支援が必要なのです。
行の読み飛ばしが目立つ場合
行を読み飛ばす場合、眼球運動に不器用さがあるかもしれません。つまり、目をスムーズに動かせていないことが考えられます。
この場合、ビジョントレーニングがおすすめです。眼球運動を養ったり、目で視たものをイメージできるようにするトレーニングです。
ビジョントレーニングについては、こちらの記事が参考になります!
また、リーディングルーラーも便利です。この商品は、目や指で追わなくても、次の行をわかりやすく示してくれるので読むことに集中することができます。
逆さまにすると見える事例も
文字がぼやけて見えるという問題を抱えていた子がいました。その子は誰にも理解されず、本人も、周囲がどのように見えているのか知ることもできなかったため、勉強が大嫌いでした。
あるとき、たまたま逆さまになった教科書が目に入りました。すると、文字がはっきり見えたのです。もちろん、逆さまではありますが、文字をしっかりと読むことができたのです。
それから、その子は勉強がわかる喜びを知り成績はみるみる上がったとのことでした。
このケースは稀なケースだそうですが、ディスレクシアといっても、ひとくくりにできないなと感じる事例です。
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